更年期。治療をしてもなかなか良くならない人が身につけるべき、確実に調子が良くなる〈スキル〉とは
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。 ---------------- 更年期で受診をしてひと通り治療をしてもなかなか良くならない、という方は生活習慣も改善していく必要があります。例えば栄養バランスが整った食事をとるとか、運動習慣をつけていく事です。ところが、この非常にシンプルなことこそ、なかなかできないのが泣きどころなのです。例えばダイエット。理論的には「摂取カロリーよりも消費カロリーが大きければやせる」です。要は食べる量を減らせばよいだけ。この理論は簡単ですが、実践や継続、習慣化することが何よりも難しいのです。 〈写真〉更年期。治療をしてもなかなか良くならない人が身につけるべき、確実に調子が良くなる〈スキル〉とは 習慣化していくために一番初めにすべきことは「簡単でも習慣化できることをやる」ということです。いきなり最初から難易度の高いものをやろうとすると3日坊主になります。だから、目標を「継続すること」に設定してみてください。例えば、運動習慣がない人がいきなり激しい運動は難しいでしょう。でも、いつものオフィスを「一日一回だけは1階分だけ歩いて上がる」くらいでいいのです。これならできるよね、くらいのことをやってみてください。それを1週間続けられたら、2階分歩いてあがる、というように、強度を少しずつ高めていくのです。 そして、もう一つすべきことは「周りに宣言する」こと。「私、これから毎日一日1回階段一階分を歩いて上がるよ」と周りに人に言ってみると、継続しやすくなります。周りに宣言したら、やらないわけにはいかない、やらない自分は恥ずかしい、という気持ちから続けざる得ない状況ができます。 もうひとつおススメしたいのは「If Then」方式です。「~したら…する。」ということです。都度何をすべきか、やるかやらないか、を考えると続きません。例えば、私たち朝出かける前に歯磨きって何も考えずにやりますよね。このように何も考えずにできることが「習慣化」なのです。If(外出するならば) Then(その前に歯を磨く)に当てはまります。 こうやって、何も考えずにできる、簡単なことをやってみましょう。それを継続できると「自分はできる」というポジティブな感情に結びつき、次のステージに進むことができます。この積み上げが1年後には大きな進歩や変化となり、体調も良くなっていきます。私自身もこの方法で運動やお菓子を食べないことが習慣化されていきました。是非やってみてください。 文/高本玲代 フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
高本玲代