住都建設 野跡駅前に2物流施設整備 特定目的会社設立で 地域のにぎわい創出も
不動産開発などを手掛ける住都建設(本社名古屋市、坂田勇社長)は、名古屋市港区野跡の名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線)「野跡駅」前に、二つの物流施設を整備する。開発にあたっては、特定目的会社(TMK)を設立する手法を同社としては初めて採用した。冷凍自動倉庫や物産品を販売するマルシェ(朝市)の開催など、新しい試みにも挑戦し、地域のにぎわい創出への貢献も目指す。 一つは、物流施設「エルオージェイ1(ワン)」で、7月に竣工(しゅんこう)した。敷地面積は8352平方メートル、延べ床面積は4132平方メートル。名古屋港管理組合の所有地を取得し、ANAファシリティーズ(本社東京都)と共同で特定目的会社を設立、開発した。施設は賃貸し、テナント企業が自家用倉庫兼事務所として9月から稼働する。 もう一つは、エルオージェイ1に隣接する場所で、名古屋市の元市有地を活用する。同社にとっては、特定目的会社設立の第2号案件。冷凍自動倉庫を備えた物流施設を整備する予定で、今年冬に着工、2026年春の完成を予定している。敷地面積は約7100平方メートル、延べ床面積は約2万1620平方メートル。
敷地内にはカフェスペースを常設するほか、毎週日曜日にはマルシェを開催する予定。地域の人たちが集えるような場を提供し、にぎわい創出にも貢献する。また、地域の緊急避難場所などにも活用してもらいたい考えだ。 坂田社長は「冷凍自動倉庫は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を使った先端の自動化機能が特徴。今後、広島市でも同様の物流施設を開発する計画がある」と話す。TMKを物流施設開発プロジェクトの手法の一つと位置付け、ノウハウを蓄積して広く展開していく。 住都建設は、不動産管理・売買や新規不動産事業開発などを手掛け、近年、EC(電子商取引)市場の拡大で需要が高まっている物流施設の用地取得、開発に力を入れている。2024年度の売上高は81億円の見込み。