プロポーカープレイヤー投資家が語る“至極の銘柄選定術”「生の情報が重要」平日大賑わいのリゾート施設を見てBET
プロポーカープレイヤーとして活躍する木原直哉氏は、9月末に『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』(エミン・ユルマズ氏との共著)を出版するなど専業投資家並みの知識を兼ね備えており、昨年の利益は、プロのポーカープレイヤーで上げた最高年収を超えた。全3回にわたっておくるインタビューの第2回は木原氏の投資する理由、売却のタイミングなどを聞いた。 【動画】9年で2.5億円稼いだ「他人を真似するだけ」考えるイナゴ投資家の投資哲学…元ブラック風俗店員はいかにして成りあがったのか
ハワイアンズを訪れ「次の決算の期待が持てる」と判断
ーー木原さんは投資候補先をどのように探しているか教えてください。 ツールとしては「株探」を利用しています。「株探」は決算中心に見ており、次の決算がよさそうな銘柄を探して、また面白そうな銘柄があれば同じセクターの銘柄も見ていきます。また周辺業界の関連銘柄も見ます。そして気になった銘柄が見つかると、時間のある時に決算短資などのIR資料で深掘りしていきます。このようにして投資候補先をプールしています。 ーー投資家の中には、日頃の生活で気付いた流行店などを展開する銘柄に投資する方もいますが、そういった情報も重視されますか? 非常に重視しています。例えばこの夏にハワイアンズ(スパリゾートハワイアンズ)に家族で旅行したのですが、平日にもかかわらず大変な混雑で驚きました。前年も猛暑で高い営業利益が出ていましたが、今年の利益はそれを超えると思い、次の決算の期待が持てると判断し購入しました。保有する土地も簿価で評価されており、土地を時価評価するとかなりの評価益が見込める状態でした。偶然にもその後ファンドによる買収と上方修正が発表され株価が大きく上昇しました。実際に見る、行くなどして得た生の情報は大変重要です。
投資銘柄は常時20銘柄。信用倍率2倍になるように構成
ーーどのような観点で投資銘柄を決めていますか? 特に投資ルールはないと先程お話しましたが、投資する理由の有無を最重要視しています。それも複数の理由が必要です。投資する理由は様々ですが、例えば下記があります。 ・純粋に売上高や利益が伸びている ・市場のトップシェアを持つ製品を有している ・時期決算が市場の期待より上方修正される可能性 ・今期出るであろう利益(これは会社発表利益ではなくて、自分が予想する利益)と比べて時価総額が割安であること ・経営陣の株主に対するスタンス(会社を大きくしたいという気持ちが強いか) ・株主構成(創業者や経営者が単独で過半数はOK、同族経営は基本的にNG) ・ファンドによる買収の可能性(TOBやMBOの可能性) ・板及び歩み値で、買い集めている人がいるかどうか ーーファンダメンタルズ重視の内容となっていますが、デイトレードのような短期売買ではないのに板や歩み値も見るのですか? 見ています。私が投資するのは中小型株が中心です。よって、常時活発な売買がなされている訳ではありません。ただし、続けて板及び歩み値を見ていると、定期的に同じような値段で同じような株数の買いが入ることがあります。そのような銘柄はファンドや同じ人が買っているんだと容易に想像ができ、投資の有力な判断材料となります。板や歩み値の情報も有力な投資理由です。 ーー投資銘柄は何銘柄程度になるのでしょうか? 投資銘柄は常時20銘柄程度です。信用取引を利用しているのですが、ポートフォリオ全体で信用倍率2倍程度となるよう20銘柄を構成しています。売却が発生するとその分の余裕ができるので、既存銘柄の買い増しや新規銘柄の購入を検討します。
木原直哉