米下院、ジョンソン議長が僅差で再選 トランプ氏が後押し
米連邦議会で3日、昨年11月の選挙結果を受けた新議会が開会し、下院(定数435)で共和党のマイク・ジョンソン議長が僅差で再選された。当初は必要な過半数を得られない可能性があったものの、ドナルド・トランプ次期大統領が後押ししたこともあり、必要な票数を得た。 共和党は下院で219議席を得ている。議長選出には過半数の218人の支持が必要なため、共和党議員2人が造反すればジョンソン氏は再選に必要な過半数に届かない状況だった。当初は議員3人が造反したものの、ジョンソン氏は本会議場を離れて3人を説得。この結果、2人がジョンソン氏の支持に回り、再選が決まった。 再選が決まったジョンソン議長は演説で「国民はアメリカ第一の政策を求めている」と述べた。さらに、トランプ氏の再選と共にアメリカ国民は自分たちの利益を最優先されることを強く求めており、「私たちはそれに応える」と議長は述べた。 連邦議会の新議会開始では、まず下院の議長を選出しなくてはならない。議長が決まるまでは、ほかの議事に取り掛かることができない。 連邦議会は6日、2024年大統領選の結果を認定する。今月から連邦議会の上下両院が共和党多数となり、1月20日には共和党の大統領がホワイトハウスの住人となる。 下院議長は大統領権限の継承順位で、副大統領(兼上院議長)に次ぐ立場にある。 ■トランプ氏も造反議員を説得 今回の議長選出で当初はジョンソン氏以外の候補を支持していたラルフ・ノーマン下院議員(サウスカロライナ州)は議長選挙後に記者団に対して、下院本会議場の外の部屋でジョンソン氏と話した後に、考えを変えたのだと説明した。 ノーマン議員によると、ジョンソン氏は今後の審議では保守派議員の意向をこれまでよりも重視すると約束。議会と委員会幹部だけの取引で議事進行を決めるのをやめ、議決日程を決める前に議員たちが法案を熟読できるだけの時間も確保すると、約束したという。 ノーマン氏ら造反議員の説得には、トランプ次期大統領も加わったという。 ノーマン議員は議長選の間にトランプ氏と2回、会話を交わしたと話した。「(トランプ氏は)とてもやる気で、『ノーマン、これほどのチャンスはかつてなかった。下院も上院も、(ホワイトハウスも)三つとも全勝だ。こんな機会はまたとない』」と自分を説得しようとしたのだという。 議員によるとトランプ氏はさらに、議長選に勝てそうなのはジョンソン氏だけだとも話したという。 (英語記事 Johnson re-elected as House Speaker in razor-tight margin)
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