梅島三環子アナ カフェが医療ケアを必要とする人たちの新たなきっかけに…仙台放送アナウンサーコラム「書ける」
先日、「仙台放送Live News イット!」(月~金、午後3時45分~午後7時、宮城県内のニュースは午後6時9分~)の取材で、仙台市内にオープンしたあるカフェに伺いました。風を感じるテラスに設けられたのは、約15席。店内では、アウトドア用品を使って自分でコーヒー豆を焙煎(ばいせん)して入れたり、ホットサンドを作ったりすることができます。私は、ガスバーナーを使ってホットサンド作りに挑戦。ちょっとしたキャンプ気分が味わえました。 そのカフェ、なぜ今回取材したかというとスタッフにある共通点があるからです。それは皆さんが、重い病気や障害のために医療的なケアが必要な人たち、医療的ケア児・ケア者の親であるということです。 県の調査によると、県内で医療的なケアが必要な人は634人に上ります。そのケアの多くは親や家族が担っていて、働けない状況に置かれている人も多いのが現状です。 その課題と向き合いたいと、医療的なケアが必要な人の通所施設などを運営する社会福祉法人が今回のカフェを手がけました。カフェの場所は、子供たちが通える通所施設の隣に。体調の変化にも対応できる、柔軟なシフト体制を組み安心して働ける環境を整備しました。社会福祉法人にとってカフェの運営は本業とは異なりますが、長年親たちから聞いていた「働きたい」「社会と繋がりたい」という声を受け、まず一歩を踏み出しました。 医療的なケアが必要な方への支援は進みつつも、周りの家族には支援が進んでいないのが現状です。この課題すら、気づいていないのが今の社会なのかもしれません。働けることを心から喜び、そして感謝を口にする親たちにとってこのカフェの存在が新たな世界を開くきっかけになってほしいと感じます。
報知新聞社