干拓で失われた京都府南部の旧巨椋池 ゆかりの魚や植物見学 京都市内の植物園で市民講座
京都府南部の旧巨椋池にいた生き物や周辺の人々の暮らしを学ぶイベントが3日、京都市左京区の武田薬品工業京都薬用植物園で開かれた。参加者は昭和初期に干拓で失われた同池ゆかりの貴重な魚や植物を見学し、生物多様性の知識を深めた。 同園が京都水族館、宇治市歴史資料館、きょうと生物多様性センターと連携して開き、約20人が参加した。 参加者は各施設のスタッフから解説を聞いた。複数の河川が交わる付近にあった巨椋池は生物が豊富であり、周辺の人々は農業や漁業を営んで、ハスの花の見物客のために舟を出すこともあったと説明を受けた。 一方、同園では巨椋池に関わる生き物の一部を保存している。この日は、水槽に入ったカワバタモロコや水中から取り出した水生植物オグラコウホネなどの希少種が展示され、参加者が間近で食い入るように見入った。 南区の女性(42)は「物事を学ぶことと植物が好きで参加した。絶滅の恐れがある種類は多く、生き物と共存が大切だと感じた」と話した。