【韓国ドラマ】史上最強にぶっとんだ設定!? 今年絶対みたい傑作ドラマ
ミナに想いを寄せるソンマンの部下ベクジュンを演じるのは、『マスクガール』(2023)での怪演が記憶に新しいアン・ジェホン。イ・ビョンホン監督の初ドラマ『恋愛体質~30歳になれば大丈夫』(2019)に出演しており、彼も再タッグ。この3人が集まったというだけで、面白さは保証されたも同然です。 ミナがタッカンジョンに変わる瞬間を目撃していたベクジュン。最初は信じなかったソンマンも、彼の深刻な表情を見て状況を飲み込み、2人は内密に人間に戻す方法を模索することに。しかし、一口サイズであるせいで普通のタッカンジョンと混ざってしまったり、食べられそうになってしまったりと次から次へとハプニングが勃発! そのたびに必死の形相で「ミナ~!!!」と叫び、全力でタッカンジョンを守るソンマンたち。シュールな描写がくすっと笑いを誘います。
全10話とタイトながら、カメオ出演も豪華。多数のタッカンジョンの中からミナを探し当てるのを手助けする有名グルメブロガー役に『イカゲーム』のチョン・ホヨン。 ベクジュンと彼女は元恋人同士で、タッカンジョン屋で偶然再会するのですが、どっちが未練があるかで言い合いに。ぽっちゃりしたベクジュンのお腹を掴んで「どうしてこんなに痩せてしまったの!ホルモンのような指先、砂肝のような唇、特大ハンバーガーのようなお腹まで地球上で最も完璧なビジュアルだったじゃない!」と喧嘩シーンもしっかりぶっ飛んでいて、爆笑すると共に俳優陣の役者魂あふれる名演技に脱帽。実力派俳優たちによる真剣なコメディ演技をたっぷりと楽しむことができます。 軽快なコメディパートが続く一方で、謎の機械を届けた人が死んだことが発覚したり、キーマンである研究者が失踪したりと、どこか不気味な空気も漂っていてハラハラ。笑いと緊張が交差する展開は、まさに甘辛いタッカンジョンのようです。
物語は後半に行くにつれ、さらにカオスになっていきます。「なんのこっちゃ」な展開が続くのですが、ユーモアの中に「現代社会を風刺している?」と思わせるようなシリアスな面もあり、観賞前と観賞後の印象が大きく異なる作品でした。 イ・ビョンホン監督作品の魅力である、独特なセリフの掛け合いも健在。1話30分ちょっとでサクサク進むので、最初は軽く楽しみながら、2回目はセリフの掛け合いやさまざまなドラマ・映画のオマージュを味わいながら、3回目は本作に込められたメッセージを考えながら……と見直したくなる作品です。
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『タッカンジョン』 全10話 Netflixシリーズ「タッカンジョン」独占配信中