阪神バンザ~イ 森下が救った決勝3ラン 開幕連続無得点25回で止めた「落ち込んでいる暇はない」
「巨人0-5阪神」(31日、東京ドーム) チームを救った。重いムードを一振りで切り裂いた。阪神・森下翔太外野手(23)が、両軍無得点の八回2死一、三塁で左中間席へ決勝の1号3ラン。開幕から26イニング目での今季初得点をもたらし、連敗もストップだ。岡田彰布監督(66)も大喜びの一発で、敵地に響いた六甲おろしとともに、連覇に向けた今季1勝目を手にした。 【写真】今季初勝利に岡田監督嬉しさ隠せず 白い歯もキラキラ輝く チームを救い、自分の心も救った。「チャンスで1本出なかったところで、自分が出せば勢いに乗れると思った」。12打席目でようやく手にした今季初安打は、初勝利に導く決勝3ラン。一塁ベースを蹴り、右手を突き上げた森下に、左翼スタンドからは大歓声が注がれ、重苦しい空気を一振りで吹き飛ばした。 両軍無得点の八回2死一、三塁。黄色いグリップを巻いたバットを持って打席へ。左腕・中川が投じた初球、外角寄りの149キロに反応。快音を響かせた打球は左中間席の最前列に突き刺さった。 チームとして開幕から26イニング目で初得点となった値千金の1号。「0点で抑えられていたっていうのは特に関係なく。もう終わってしまった勝負は仕方がない。今日の試合は絶対に勝つというところで」。下を向かずに気持ちを乗せた一発に、岡田監督は両手を上げながら満面の笑みを浮かべ、力強く手をたたいて祝福した。 打撃フォームやバットの選択において、試行錯誤を繰り返す2年目のシーズン。昨年はリーグ優勝、日本一を経験したが、個人としてはまだ1年目を終えただけ。「自分自身の打撃にそんなに満足していないんで。もっと良くなるためにはどうしたらいいのか」。これから先に続く野球人生のために、常に成長のきっかけを求めている。 「昨年、日本一までいってすごく強いチームの中で自分もできている。やるからには勝ちたいと思うと、個人のタイトルだったり、そういうところも獲りたいですし、獲らないといけない。自分がプラスな方向に働けば、チームにもプラスになると思う」 打線の中軸を任される中で、自覚と責任感も芽生えた。自らが打たなければ、チームの勝敗にも影響を与える。そのためにも、いかに悪い状態をすぐに立て直すことができるのかが大事。試行錯誤する中で、引き出しも増やした。 「同じことをやっていても、同じ感覚でしかできない。ちょっと変わった感覚になってみたところで、この感覚がいいなと思ったら、その感覚でやっていけば、自分の打撃に波がなくなるのかなっていうふうに思います」 最高の一打から始まった2024年のシーズン。「まだ始まったばかりなんで。2連敗して落ち込んでいる暇はない。自分たちは連覇に向かっていくだけだと思ってるんで。まだまだここから勝っていきたい」。頂点だけを見つめ、ただひた走るだけ。今季も仲間とともに、最高のゴールを駆け抜ける。 ◆今季26イニング目で初得点!阪神は今季開幕戦からこの日の巨人戦七回までセ・リーグワースト記録となる開幕から25イニング連続無得点。ただ、八回に森下が1号3ランを放ち今季26イニング目でチーム初得点。この日の快勝で2018年の開幕2戦目から続いていた巨人との開幕カード連敗を「7」で止めた。