【函館便り】高温風呂に「ぐああ」も今は昔…競馬場の温泉で入浴する馬の姿をのぞきました
「ははは。これぐらいの温度ではびくともしなくなったな」。今週の僕(舟元)です。温泉地として名高い函館に2週間以上出張し、今では高温風呂にも無事対応し、前述のように悦に入っています。出張当初は「ぐああ…、熱い…。もう無理だ」と苦悶(くもん)し、百戦錬磨の現地の人に笑われ、涙ながらに撤退していましたが、慣れというものはすごい。温泉歴は浅いですが、直近で入った回数はなかなかものだと自負しています。ただ、やはり上には上がいた。いや、そんなに大げさな話ではないんですが…。 自分よりも温泉を堪能しているライバルを発見しました。これはうれしい。それも普段仕事でいる函館競馬場で。そこの馬温泉所でのことです。 競馬場の近くにある湯の川温泉から源泉を引いて、馬が温泉に入れる施設がある函館競馬場。以前から有名でしたが、この目で入浴中の馬を見るのは初めてでした。それも自分が温泉に興味を持ってからのことです。湯船に入る前にしっかり体は洗うのか、どっちの脚から入るんだ、かけ湯はするのか、注目していました。うん。すごい。担当員さんが念入りにシャワーで汚れを落とし、バックで入っていきます。そして、写真をご覧ください。脚全体がつかるぐらいの深さ。体まではお湯がこないので、上から温泉が出るシャワーで打たせ湯の要領で入浴していました。 JRAの村中雅則上席臨床獣医役によると「慣れた馬の中では出たくないと動かない馬もいます。温泉のお湯をずっと飲んでいる馬もいますよ」。なんと…飲泉まで経験しているのか。つい先日、飲泉できる温泉に行っていい気になっていた僕ですが、馬もすでにやっていたのか。それにしても気持ちよさそう。僕も温泉セットを持ってくれば良かった。一瞬だけ本気でそう思いました。 温泉を出て優雅に出て行く馬。なんだか毛づやも光って見えました。馬はこの後、風呂上がりに1杯やるのかな。いいな。よーし、負けてはいられない。こよいも手ぬぐい片手に湯気の出ている方へと行ってみようか。 【舟元祐二】