クマと対峙するハンター 自治体の向き合い方は? “民間頼みの駆除” 浮き彫りに 北海道
自治体と猟友会…向き合い方は? “ガバメントハンター”も
マチの90%以上が山林という上川の占冠村です。 村役場に勤める浦田剛さんは「野生鳥獣専門員」。 毎月、村の広報誌にクマに関する記事を載せています。 (占冠村野生鳥獣専門員 浦田剛さん)「クマのようす、シカのようすを見ている私たちの感覚が伝わるように、生き生きと伝えていきたいと心がけています」
村の巡回は欠かせない仕事。 浦田さんはハンターの資格を持ち、必要であればクマの駆除も担う、いわゆる「ガバメントハンター」です。 占冠村は、公務員が主導してクマの対応に当たっています。
(訓練)「今さっき占冠の市街地で、クマ1頭を目撃したという110番通報がありました」 占冠村では6月、クマ出没の訓練が開かれました。 有害鳥獣対策を担う地元のハンターや警察などが参加するなか、「野生鳥獣専門員」の浦田さんも模擬銃を手に現場に駆け付けます。
(ハンター)「クマ目視できました」 道の駅の裏手にクマが現れた想定の訓練。 発砲が難しい場所と判断し、まずは「追い払い」をするべく、浦田さんが無線機を手にハンターを指揮します。
(占冠村野生鳥獣専門員 浦田剛さん)「少し車を前進させてください」 (ハンター)「車を前進させ圧力をかけます」 (ハンター)「土手まで20メートルの位置まで前進しました。前進継続でよろしいですか」 (占冠村野生鳥獣専門員 浦田剛さん)「その位置から堤防に平行に上流方向へ誘導します」 ハンターが連携を取りながらクマを取り囲みます。 クマは住宅が少ない山のほうへ移動しました。
訓練の最終段階は「クマの駆除」です。 (占冠村野生鳥獣専門員 浦田剛さん)「ゆっくりクマの動きを見つつ、動いたときには射線に入ったら、すかさず撃つという判断。かなり近接戦闘が予想されます。基本的には2人1組でバックアップを取りながら声をかけながらやりたい」 先陣を切って、クマがいる茂みへと向かうのも浦田さんです。