クマと対峙するハンター 自治体の向き合い方は? “民間頼みの駆除” 浮き彫りに 北海道
“民間頼みの駆除” 浮き彫りに 自治体との衝突は過去にも
6月10日、札幌市内で開かれた北海道猟友会の総会に臨む山岸さん。 総会では報酬額について、道内のハンターから意見が噴出しました。 (総会での意見)「奈井江部会の声はその通り。燃料代も考えると赤字もいいところだ」 (総会での意見)「クマの出動手当などについて奈井江部会が単独で声を上げたが、北海道猟友会で全道的な調査をしてほしい」
民間のハンターの負担を「当たり前」としている現状が、奈井江町をきっかけに浮き彫りになりました。 (北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長)「ハンターの皆さんが疑問に思っていることが言葉になって出てきた。みんな協力したい気持ちでやっている。そこに自治体が乗っかっているのは変な話ではないかと。まさに報酬問題とはそういうことだと思う」
自治体と猟友会が衝突するケースは、奈井江町に限ったことではありません。 (礒貝記者)「午後11時40分すぎ。住宅の前、クマが右に向かって動いています」 2018年夏、島牧村の住宅街には毎日のようにクマが現れ、緊張に包まれました。 (猟友会)「(爆竹)鳴らしても逃げないわ」
連日の出動でつみ重なった猟友会への報酬は1000万円を超えました。 村議会は高額すぎるとして、上限を設ける条例を可決。 これに反発した猟友会は、およそ2年にわたり村への協力をやめたのです。
(北海道猟友会寿都支部 高島紀彦支部長)「村民の安全のためだから出てくださいと、いくらかかっても構わないから出てくださいと言われて出たらあの感じだから、何を言っているのかなと」 村民からの苦情も相次いだため、2020年に条例は改正。 毎年話し合いで報酬額を決めることなどで、猟友会は協力を再開しました。
今年度は8時間の出動で2万6900円が支払われます。 (島牧村企画産業課 栗田翔主幹)「情報共有を図ったり、わからないことがあったら相談して対応を検討させていただいています。顔を合わせて話をするようにしている」 (北海道猟友会寿都支部 高島紀彦支部長)「(奈井江町は)役場が勝手にこの金額でやれと、一方的に押し付けているように感じる。島牧村はそんなことない。1年に1回必ず話をしている。お互いに納得するような議論をして、話をするというのが一番必要だと思う」