警察学校の生活ってどんな感じ?…新人記者が体験入校 ギブアップしてしまった訓練も… 福井県
早朝の5キロランニングに始まり、防御に使う盾や相手を制圧する逮捕術の訓練、柔道に剣道、法律などを学ぶ座学…。新人警察官は半年から10カ月にわたり、警察学校であらゆることを学ぶ。7月中旬、事件事故も担当する新人記者の研さんを兼ねて、福井県福井市東部にある福井県警察学校に体験入校した。「困っている人を助けたい」。生徒は一様に献身性を持ち、厳しい訓練に耐え、第一線で活躍できる日を待ち望んでいた。 体験入校したのは、福井市で最高気温35・5度の猛暑日を記録した日だった。国旗掲揚を見届け、一団となって5キロのランニングがスタート。「1、2、そーれ」。全員が完走する中、3キロほどで足が止まってしまい、あえなくリタイア。早朝とはいえ、酷暑でのランニングは運動が得意ではない身にはこたえた。 息つく間もなく校内の清掃が始まり、終われば朝食。事件事故はいつ起こるか分からないため、食事に時間はかけない。朝食も黙々とかき込み、10分かからないうちに完食していた。 最もきつかったのは重さ5・5キロの盾を扱う操法訓練。頭上に持ち上げて静止する実務では、歯を食いしばらなければならないほど腕がつらい。楽な姿勢を取ろうと右肘が盾からはみ出た時には、「相手はそこを狙ってくる」と教官の指導。生徒全体に向けても「それで自分の命を守れるのか」と厳しい口調で叱責した。 盾を脇に抱えてグラウンドを走る訓練では、息が上がり足が止まりギブアップ。それを見るや、近くの生徒が「(盾を)持ちます」と助け舟を出し、二つの盾を抱えてさっそうと駆けていった。あとで聞いたことだが、盾を使った訓練は生徒もまだ2回目。自身が過酷な状況でも周りを助けようとする献身的な姿勢が印象に残った。 逮捕術の訓練では、生徒から防具の着け方を細かく教わることができ、稽古相手には多くが手を上げてくれた。今期の生徒について川端雪恵・教務担当校長補佐(51)は「助け合いの精神が浸透し、雰囲気が良い」と話し、優しさと自主性に太鼓判を押す。
福井新聞社