ポルシェが目指す「本物」の電動スポーツカー 新型 “718 EV” で見るべきところ
ハンドリングに寄与するプラットフォーム設計
718のEVモデルには統合回生ブレーキ・システムが搭載される予定だが、フォーミュラEと同様に、効率を最適化するためにエネルギー回収に重点が置かれる。これによりバッテリーを小型化できるようになり、パッケージングの改善とコスト削減、そして最重要課題である軽量化につながる。 これはバッテリーをシートの後ろに搭載するプラットフォームの設計思想と一致している。シュタイナー氏は、「重心を可能な限りドライバーの近くに置くことで、非常に柔軟かつ俊敏になる。非常にバランスが良く、クルマを本当にうまく操れるようになる」と言う。 「路面に近い位置に座るので、バッテリーの上に座るようなプラットフォームよりも大きな利点がある。まさに本物のスポーツカーの感覚だ」 シュタイナー氏は、ボクスターEVのプロトタイプを運転したことがあるが、2つの理由で「本当に素晴らしい」という。 1つ目は、「クルマの重心に近く、ハンドリングが素晴らしい」こと。 2つ目は、電動オープンカーを運転する体験だ。「屋根を開けて静かに走る。無音というわけではないが、エンジン音は聞こえない。風景の中を走り、あらゆる音や匂いを感じながら走るのは新しい体験だ。EVの運転体験に、屋根を開けて走るという体験が加わる」 ガソリンエンジンのボクスターとEVとの違いに対して問われると、シュタイナー氏は次のように答えた。 「内燃機関に搭載できる最高のテクノロジーをもってしても、EVの方が速く走ることができる。大きな欠点は重量だが、これもかなり制御できるようになった。重量に関しては、4ドア車のパッケージよりもはるかに優れている」 「このクルマは、非常にシャープなステアリングと優れたブレーキ性能を備えており、お待ちいただく価値はあるだろう」
ジェームス・アトウッド(執筆) 林汰久也(翻訳)