古き良きアメリカが生んだ名作革靴 「ALDEN(オールデン)」のVチップの魅力とは?
土踏まずをサポートし疲れにくくする“モディファイドラスト”
オーソペディックシューズは1950年代から本格的に製造をはじめ、1930年代に“モディファイドラスト”のベースとなる木型が生まれたとのこと。
「『オールデン』の木型の中で特に異彩を放つのが、この“モディファイドラスト”です。医療用のシューズを作っていた会社を『オールデン社』が買収して、木型を譲り受け、そこから改良していったのがこの“モディファイドラスト”なのです。 “改良”という意味をもつ“モディファイドラスト”ですが、本国では“ニューモディファイドラスト”ともいわれます」 この“ニューモディファイドラスト”ができたのが1963年とのこと。「オールデン」にはたくさんの木型が存在する。 本国では“アバディーン”、“プラザ”、“ハンプトン”といわれるドレスシューズに使われる木型が定番で、逆に本国では「オールデン」を知っている人でも“モディファイドラスト”を知らない人もいるのだとか。
今回取り上げる「Vチップ」も“モディファイドラスト”が採用されていてカラーによって品番がちがい、バーガンディが「54321」、ブラックが「54331」となっている。 「1963年に“モディファイドラスト”と一緒に生まれたのが、『Vチップ』で、当時流行していた『Uチップ』をモディファイドラスト用に開発したのがこのデザインだったそうです。 『Uチップ』と呼ばれるトゥのデザインが“V”に見えるので、『Vチップ』と呼ばれていますが、本来は『アルガンコン』という名前があるんですよ。『Vチップ』といえば『オールデン』と認識されるようになりました」 “モディファイドラスト”はさまざまな足型に対応する木型。ハイアーチ(甲高)、ハンマートゥ(つちゆび)、X脚、偏平足といういろいろな形の足をサポートしてくれるのが特徴だ。
「人は歩くことで、土踏まずの筋肉が下がります。この筋肉が下がることが足の疲れの原因といわれています。土踏まずの部分を下から持ち上げてサポートし、疲れを感じなくさせるのが、“モディファイドラスト”の大きなメリットとなっています」