都内の銭湯4年連続値上げ きょうから大人550円に 銭湯店主「燃料費高騰かなり痛い」
東京都は「銭湯」の大人の入浴料金を1日から、30円値上げして550円にします。燃料費の高騰が影響していて、4年連続の値上げとなります。 【動画】レトロ×おしゃれに!銭湯が“進化” 若者がハマるワケ 東京都内の公衆浴場、いわゆる「銭湯」の12歳以上の大人の入浴料金は、これまで520円でしたが、8月1日から30円値上げして550円となります。 今回で4年連続の値上げ、1994年の「350円」と比べると、この30年間で200円値上がりしたことになります。 また、小人(6歳未満)100円と中人(6歳以上12歳未満)200円は据え置きで変更はありません。 都によりますと、値上げの主な理由は燃料費の高騰だということです。
東京・墨田区にある創業75年の「大黒湯」。東京スカイツリーが見える銭湯です。 7月下旬、3代目店主の新保卓也さんは550円に変更した新しい料金表を用意していました。 一方、お湯を沸かすために必要不可欠なガス。大黒湯では2~3年前には1か月のガス料金がおよそ60~70万円だったのに対し、最近では、100~120万円になっているといいます。
店主の新保さんは「お客様にとって30円の値上げは非常に大きく心苦しい」とした上で、燃料費の高騰は“かなり痛い”として「入浴料の値上げはどうにかご理解いただきたい」と話しています。
また、大黒湯に5年以上通っているという常連客は「物価も人件費も上がっているので入浴料の値上げは仕方がない」と理解を示していました。 店主の新保さんは利用者を増やそうと、オリジナル商品の販売や企業とコラボレーションして浴場にキャラクターを描くなど、若い年齢層の人が足を運ぶきっかけをつくる工夫をしているといいます。
国などが燃料費高騰対策に力を入れてくれることが「銭湯の文化を次の時代につなぐことができる」と思いを訴えています。 都によりまと、銭湯の入浴料金は物価統制令に基づいて知事が指定する仕組みとなっていて、年2回協議会を開き関係者からの浴場経営などの意見を踏まえて決定しています。 都の担当者は収入源を増やし銭湯の文化を継承するためにも、お得な回数券などを使って、高齢者だけでなく、若い人や家族連れなど多くの人に銭湯を利用してほしいということです。