松商学園高校 来年度に通信制設置へ 長野県に認可申請
長野県松本市の松商学園高校は18日、同校で記者会見を開き、来年度の通信制課程設置を目指して県に先月、認可申請したことを発表した。系列の松本大学(新村)を主なキャンパスとして不登校の生徒らを受け入れ、大学生をはじめ世代の異なる人との関わりを通して社会性を育みながら、個性と多様性を尊重する教育を進める。 松商学園高校と松本大を運営する学校法人松商学園の田口敏子理事長らが会見に臨んだ。入学する生徒の住所が、学校がある都道府県と隣接する1都道府県に限られる「狭域通信制」を採用し、まずは県内から生徒を募る。定員240人(1学年80人)で2学期制を採用。秋入学・卒業もできる。ICT(情報通信技術)の活用で個別に最適な学習を進めつつ、担任制によるきめ細かな相談体制を整える。 大学進学や就職を目指す「標準コース」のほか、スポーツや文化活動を充実させたい生徒向けの「集中コース」も設ける。松本大教育学部の学生による学習サポートや合同サークルの立ち上げも計画している。松商学園高校の長野雅弘校長は、大学連携型は県内初とし「不登校の生徒らに開放感と自由な環境による『心理的安全性』を提供できる」と利点を話した。 県内の不登校の小中学生は増加傾向で、一昨年度は過去最多の5735人となった。通信制高校に入学する生徒も増加しており、文部科学省の調査によると昨年度の入学者は867人に上っている。 県の許認可は年末ころの見通し。その後すぐに生徒募集に取りかかる。ホームページに最新の情報を掲載しつつ、入学希望者向けの問い合わせに随時応じていく。
市民タイムス