【解説】ギャンブル依存症 どんな人が?“愛好家”との違いは? 依存症は「脳が“機能異常”を起こしている状態」
日テレNEWS NNN
ドジャース大谷翔平選手の元通訳・水原一平被告が大谷選手の口座から不正に送金したとされる事件の裁判で、日本時間15日未明に水原被告の罪状認否が行われます。
その水原一平被告ですが、韓国で行われた開幕戦の直後、「私はギャンブル依存症です」と打ち明けたとされています。本人も治療を希望しているといいますが、こうしたなか、5月14日から日本では「ギャンブル等依存症問題啓発週間」が始まりました。今回は、このギャンブル依存症について小栗泉・日本テレビ解説委員長が解説します。
■ギャンブル依存症…“周囲を巻き込んでゆく病気” 若者が陥るケースも
小栗泉・日本テレビ解説委員長 「この『依存症』は“周囲を巻き込んでゆく病気”といわれていまして、自分がやっていなくても、家族や友人がパチンコやパチスロなどにのめり込み、抜けられなくなっているかもしれません」 「ギャンブル依存症を研究する久里浜医療センターの調べでは、ギャンブル依存症疑いの人は全国に約200万人もいるということです」 「最近では違法な『オンラインカジノ』をきっかけに、学生や20代の若者が陥るケースが増えていて、借金を作るケースも多いということです」 波瑠さん(俳優・『news zero』火曜パートナー) 「そんなに誰でも手が出せる場所に(ギャンブルが)あるんですね」 藤井貴彦キャスター 「そうなると、自分は(ギャンブル依存症に)ならないと思っていても、のめり込んでくる人が出てくるかもしれません。どんなタイプの人が多いのでしょうか」
■誰でもなる可能性 ただ“なりやすい人”はいて…
小栗委員長 「ギャンブル依存は性格が原因になるものではなくて、誰でもなる可能性はあります。ただ“なりやすい人”というのはいまして…」 「『幼少期や青年期からのギャンブル体験』、それから『家族がギャンブルの問題を抱えている人』、そしてよく“ビギナーズラック”といいますが『初期に大勝ちした経験』がある人は、ギャンブル依存症になりやすいことがわかっています」
■「ギャンブル愛好家」と「ギャンブル依存症」の違い
藤井キャスター 「『ギャンブルが好き』と言う人はいますが、『ギャンブル依存症』との違いはどのあたりにあるのでしょうか?」 小栗委員長 「はい。実は明確な違いがあります。久里浜医療センターの松下院長によると、いわゆる『ギャンブル愛好家』は、仕事や家庭生活に問題はなくて、のめり込むのを我慢することができます」 「一方、『ギャンブル依存症』の人は、コントロールが利かない、やめると決めてもやめられない。これは“脳が機能異常”を起こしていると考えられています」 藤井キャスター 「つまり、本人の意志が弱いのではなく、“脳の機能の問題”なので病気とされているということですね」