新喜劇がはじまる前に客が帰ってしまう!?本当に“解散”寸前だった…吉本新喜劇が直面した「危機」
「人間はただ立ってたらあかんねん」
近年の大きな変化としては、間寛平が新喜劇初のGM(ゼネラルマネージャー)となり、新喜劇に復活したことだろう。 ー新喜劇に戻ってきて、どう感じましたか? 寛平:GMで入る前に久しぶりに新喜劇見てたら、しゃべってる人がほとんど横一列で、なんでって思いましたね。昔、花紀さんから「人間はただ立ってたらあかんねん。松の木やないんやから、そんな並んで人がしゃべるか」って教えられたんです。だから僕は他の人が立ってるときは座ったりします。そういった細かいことから伝えていった。 やなぎ:まだまだ芝居の味はないね。(新喜劇は)いま、人数が百人くらいおるんです。だから努力せないかん。「何かやりたいことあったら言えよって」ってGMが声かけて。みんなも「こんな芝居やろか」と言い出して、ようなってきとる。 寛平:今までやったらちょっと真面目にやってたら、いずれは出してもらえた。ちょっとの役でも、それで満足してた。それはあかん。やっぱりみんな売れていきたいやろうし、座長を目指して欲しい。だったら頑張りやとケツ叩いてるんですよ。 ケツを叩く──。その言葉に嘘偽りはなかった。間寛平がGMになり、新喜劇に新しい動きが出てきた。 三月に創立65周年を迎えた吉本新喜劇では、なんばグランド花月で記念公演を開催。すっちー、酒井藍に加え、新座長となったアキ、吉田裕を含めた四座長が活躍し、客席は笑い声が止まらなかった。公演後の会見で、間寛平GMが島田珠代を、『新喜劇の顔』にすると発表した。 第5回に続く…
浜口 倫太郎(作家)