内戦、飢餓…報じられていない難民伝えたい 森佑一さんが写真家選んだ理由
目標は平和、戦争、難民をテーマに取材、撮影し続けること
──仕事で苦労していること、また最も心がけていることはなんでしょうか。 一番苦労していることは、現地へ行って撮影をするまでの下準備と、撮影後の発信の仕方です。 まず現地での取材や撮影にこぎつけるまでのプロセスで苦労します。取材テーマを決め、インターネットや文献から情報を得て予備知識をつけ、現地のNGOなどにコンタクトを取り、実際にその国へ赴き、そこでまた情報を仕入れつつ、ようやく現地入りして取材する。 実際に行ってみないと分からない不確定なことも多く、なかなか現場にたどり着けなかったり、取材ができないリスクもあります。そういったプロセスを経てようやく取材や撮影ができるので、現状は準備8割、取材・撮影2割といった感じです。また、取材・撮影後にどの様な形で発信する(どの写真を使って、どういった視点で伝えるか、など)のがベストか考えるのですが、なかなか考えがまとまらず苦労します。 そして、最も心がけていることは、至極基本的なことですが取材や撮影をさせてもらう方々に対する礼儀です。 相手の立場を自分に投影して考えると、自分たちが悲惨な状態状況にあるのを撮影されて良い気分になる人はいないと思います。確かにそういった状況を伝えるのは報道の役割として重要ですが、大義名分を振りかざして、礼儀を軽んじてしまうのには疑問が残ります。(自分自身気をつけてはいますが、撮影したいという願望が先走って失礼な行動をとってしまっていることもあります。) そういったことから、写真を撮影する時はできる限り取材対象とコミュニケーションをとって撮影意図を理解してもらった上で撮影させてもらう様に心がけています。 ── 目標を教えてください。 目標は、平和、戦争、難民をテーマに取材、撮影し続けることです。そのために、まずは実績を積みフリーランスとしての仕事を軌道に乗せたいと思っています。もしそれが難しければ、例えば半年日本で取材費用を稼ぎ、半年海外に出て取材をするという形で活動を継続していこうと考えています。
【森 佑一(もり ゆういち)】1985年香川県生まれ。2012年より写真家として活動を始める。2012年5月には DAYS JAPAN フォトジャーナリズム学校主催のワークショップに参加。これまでに東日本大震災被災地、市民デモ、広島、長崎、沖縄を撮影。現在は海外にも活動の場を広げ、戦争や迫害に起因する難民の撮影を中心に取材を行っている。 HP: facebook: