内戦、飢餓…報じられていない難民伝えたい 森佑一さんが写真家選んだ理由
現地NGOを足がかりに取材
── 取材テーマの決め方と、取材コーディネートはどのようにしていますか。 取材テーマは、自分の中心テーマや興味に沿っているかという点で決めています。 平和、戦争、難民をメインテーマに活動しているので、これらキーワードに関連するものかつ自身がメインフィールドとしている中東に関連する問題にフォーカスするようにしています。例えば、中東問題に関する取材を中心に行なっていますが、ロヒンギャ民族迫害やミンダナオ島におけるマラウィ危機はイスラム教という側面で繋がりがあり、興味を持ち取材しました。 自身が設定している平和、戦争、難民というテーマは世界中、広範囲に渡るものなので、現実的に全てをカバーするのは難しいため、中東を中心に考えてそこから少しずつ枝葉を広げていくという形で取材に取り組んでいます。 また、取材のコーディネートは、おもに現地で活動するNGOにコンタクトを取って行なっています。 基本的には、現地で活動する、もしくは現地パートナーNGOを通して活動する日本のNGOを探してコンタクトをとっています(なければ現地で活動するローカルもしくは国際NGO)。そこから直接現地の状況を教えてもらったり、現地パートナーNGOを紹介してもらうことで取材の足がかりとしています。また治安状況を確認することもできます。 そして、NGOの活動も取材し発信することで、情報発信をする際に読者が何か支援をしたいと思った時のきっかけを与えることもできます。
一緒に過ごしてわかる現地住民の一日の時間の流れ
── 今取材している内容と、どのような毎日を過ごしているか教えてください。 現在はヨルダンにてイエメン難民の取材に取り組んでいます。ヨルダンで協力隊として活動していた当時(2015年1月~2017年1月)から気になっていた問題で、内戦だけでなく、飢餓やコレラなどの蔓延で非常に深刻な人道危機にあるにも関わらず、あまり世界的に報道されていないため、今回、取材テーマとして選びました。また11月後半にはジブチに渡航し、現地にあるイエメン難民キャンプも取材する予定です。 11月9日現在の時点での過ごし方ですが、まだ関係各所(NGOなど)に連絡をとったり、インターネットを利用した情報収集の段階で本格的に動き出せてはいない状況です。また、ヨルダンには協力隊時代の友人や知り合いもいるので、そういった方々に会ったり、イエメン大使館に赴いたりして情報を得るようにもしています。最近、イエメン大使館の方にヨルダン内のイエメン難民コミュニティを紹介してもらえたので、今後はそこに通って取材を行うことになりそうです。