亀田氏裏告白番組の矛盾。ボクシングを盛り上げるはずが世界戦と同時刻放送
それらを踏まえてAbemaTV側に、文書で以下の質問を投げかけた。 (1) この裏側全告白スペシャルの番組が決まった経緯を教えてください。 (2) 試合に対する疑問(ヘッドギアやグローブの違いなど) にも答えますか? (3) 当日、同じ時間帯で、ボクシングの世界戦がありますが、なぜ 同じ時間帯に放送するのですか? (4) (3) の質問に関連してボクシングの魅力を広げたいという目的で、亀田氏が、この企画に参加したのならば、世界戦にこの番組をぶつけることは意図と矛盾しませんか? これに対するAbemaTV側の返答は、以下のようなものだった。 「先日5月7日(日)に生放送した『亀田興毅に勝ったら1000万円』が非常に多くの反響をいただいたため、試合の様子から生放送ではご紹介できなかった裏側の映像まで改めて特別番組としてお届けしたいと考え、今回の放送を決定いたしました。 また、番組内では試合に対する疑問(ヘッドギアやグローブなど含む)についてもお話させていただく予定です。 ご指摘の放送日時に関しましては、番組側で協議しこのように決定いたしました。 なお、「AbemaTV」の新機能「Abemaビデオ」にて、放送後にも同番組を、6月7日(水)まで無料でご覧いただけます」 この局側の返答は、答えになっていないが、言いたかったことを推測するならば、この番組は、録画でも見れるので、ライブで井上尚、八重樫の世界戦の方を見てもらった後に、この番組を見てください、何も世界戦を邪魔したわけではありません、ということなのだろうか。 この試合(エンタメを試合と呼ぶのも変だが)では、いくつかの疑惑をネット上で指摘されていた。亀田氏と挑戦者で使用したヘッドギアとグローブが違っていたのではないか、という疑念だ。ヘッドギアは、フルフェイスでない限り、ダメージはそう変わらないので疑惑ではないだろうが、グローブについては、オンス数は同じだったが、亀田氏の使用したのはウイニングのメキシコタイプで、挑戦者が使用したのはウイニングのソフトタイプ。タイプが違っていた。挑戦者側のものはプロテストで使われるナックルが利かないもの。告白番組では、これらの疑惑にも亀田氏が答えるらしいので注目だが、こういう疑念をネット上で騒がせた時点で、ボクシング界のためにはなったとは言えないかもしれない。 どうあがいても、ショーとしてのエンターテイメントは、本物のスポーツのダイナミズムと感動には勝てないとは思うが、当日の視聴数で、亀田氏の裏側全告白スペシャルが本物の世界戦に勝ったりすれば、それはそれで問題意識を持たねばならないのかもしれないが。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)