息子の第一志望は国立大学なのですが、下宿することになるのでその費用が心配です。自宅から私立大学に通わせるのと、下宿して国立大学に行くのと、どちらが安いですか?
田中君(仮名)は東京在住です。理系学部への進学を希望しています。地方の国立大学であれば狙えそうです。ただ、ひとり暮らしをするとなると、家賃や食費などの生活費も負担しなければなりません。 生活費の負担を考えると、自宅から第二志望の私立大に進学したほうが金銭面で負担が少ないのではないかと悩んでいます。自宅から私立大学に進学するのと、下宿して国立大学に行くのと、どちらのほうが金銭面で負担が軽いのかFPに相談することにしました。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
国立大学の学費の特徴
全国に86校ある国立大学の魅力は、授業料の安さにあります。 国立大学の入学金は28万2000円、授業料は53万5800円(合計81万7800)となっています。施設設備費は不要です。 この金額は標準額で、最大20%まで増額できるルールになっています。近年、東工大、千葉大、一橋大、藝大など一部の大学で値上げをしていますが、多くの大学では標準額を採用しています。 一方、令和5年度、私立大学(全平均)の入学金は24万806円、授業料は95万9205円、施設設備費は16万5271円(合計136万5281円)となっています。私立大学は国立大学と異なり、学部により学費が大きく異なります。 文科系学部の入学金は22万3867円、授業料は82万7135円、施設設備費は14万3838円(合計119万4841円)ですが、理科系学部では入学金は23万4756円、授業料は116万2738円、施設設備費は13万2956円(合計153万451円)と約34万円の差があります。 ※計数は端数処理により,合計において一致しない場合があります。 (出典:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」) 看護学科は合計150万6041円、芸術系は合計164万1446円、医歯系学部は合計482万1704円となっていて、これらの学部と比べると国立大学の学費の安さが目立ちます。