大院大高、春の大阪初優勝 大阪桐蔭、履正社、興国倒す初Vに同点打の今坂幸暉「価値のある優勝」/春季大阪大会
春季高校野球大阪府大会決勝(12日、大院大高4ー1興国、大阪シティ信用金庫スタジアム)大院大高が初優勝。近年の甲子園出場をほぼ独占してきた大阪桐蔭、履正社を破って快進撃した勢いそのままに大阪の春の頂点を一気に奪取。25日から兵庫・明石トーカロ球場で開催される近畿大会への出場を決めた。 1点を追う四回、1死から荻野倖外野手(3年)がレフトの頭上を越える二塁打で出塁すると、今坂幸暉内野手(3年)が右前に弾き返して1ー1の同点に追いついた。続く中山悠紀内野手(3年)が左前へ勝ち越し適時打を放って2ー1。さらに2死後に清田銀二内野手(3年)の左前打で一、二塁とし、菅沼遥音外野手(3年)がセンターオーバーの2点三塁打を放って4ー1とリードを広げた。投げては先発した前川琉人投手(3年)が9安打を許すも、1失点で完投した。 甲子園は1996年の選抜大会に1度出場しており、2勝を挙げて8強入りしたが、以後の夏は2018年北大阪大会準優勝が最高。昨秋も府大会3回戦で敗れたが走行守の三拍子が揃ったプロ注目の今坂、好左腕の前川ら個々の力量は高く、今大会は4回戦で履正社、準々決勝で大阪桐蔭と「大阪2強」と呼ばれる甲子園常連校を次々に撃破。大阪の高校野球の勢力分布に新風を吹き込むと、さらに準決勝、決勝と力強く勝ち抜き、近畿大会で他府県の強豪とさらに切磋琢磨する権利を手にした。 昨年3月に就任し、選手の自主性を尊重してノーサインの野球を継続している辻盛英一監督(48)は「大阪桐蔭と履正社に勝ってから『負けたらダメ』みたいなイメージがあってプレッシャーになっていた。だが、1試合1試合強くなっていく。高校生の成長はすごい」と感無量の表情。「近畿大会もスタンスは変えない。彼らを信じてやっていきたい」と攻撃的な野球を貫くつもりだ。 勝負どころで同点打を放った今坂は「大阪桐蔭、履正社の両方を倒して、最後、興国という名前のあるチームを倒したのは価値のある優勝と思う」と胸を張った。決勝までの7試合で26打数13安打、打率5割をマーク。「長打を打てて率も残せるところが自分のいいところ。長打を打つことにはこだわってやっていきたい」と力を込めた。