クルマに「お正月飾り」なぜ減少? 正月「風物詩」に「面倒くさい」の声も… 専門店に聞く付けない理由とは
かつてはよく見た、クルマのしめ縄飾り、なぜ減った?
かつて、お正月にはフロントグリルに正月飾りを付けているクルマを多く見かけました。 ですが、最近ではほとんど見かけなくなっているようです。 なぜ付ける人が減少しているのでしょうか。 【画像】「すげえええ…懐かしい!」 昔はあったよね? 定番「アイテム」を見る(15枚)
日本では、飾り物や食べ物で新年の様々な幸せを願います。その一つとして正月飾りが挙げられます。 例年、住宅やお店の玄関先に正月飾りを飾っている様子を見ることが多いと思いますが、かつてはクルマのフロントに飾りを付ける方も多くいました。 ですが、近年ではその姿をほとんど目にすることはありません。 なぜクルマのフロントに飾りを付ける人は減ってしまったのでしょうか。 正月飾りとは、門松や鏡餅、しめ縄のことで、神様を迎え入れるためやお供物として用意し、細かい装飾全てに意味のあるものです。 クルマに飾る場合は、しめ縄を使って作る「しめ飾り」を付けることが多かったといいます。 しめ飾りはクルマのフロントグリルやバンパーに、ワイヤーでくくりつけるものが一般的でした。 SNSでは、「昭和では当たり前だったけど近年きっぱり見なくなった」といった声が多くあり、風物詩だったものが絶滅危惧種になったとも言われています。 他にも「今年はしめ飾りを自分以外につけている人は誰もいなかった」という投稿や、「正直つけるのが面倒」という声も。 そんなしめ飾りの売れ行きについて、都内でしめ飾りなどを作るわら加工の専門店の担当者は次のように話します。 「クルマに付けるしめ飾りの売れ行きは年々減少傾向にあります。 以前は常に商品として何パターンか用意していたのですが、現在は注文がきたら作るオーダーメイド方式でのみ生産を行っている状況です。 買ってくださるのは毎年同じ人が多く、若い年齢層のお客様はほとんどいらっしゃいません」
かつての風物詩だが…なぜ「しめ縄」飾る人は減少した?
では、なぜしめ飾りを付ける人は減っているのでしょうか。 まず挙げられるのは、しめ飾りの処分に困るという意見です。 しめ飾りを含め、正月飾りは神社で処分することが基本で、神社の場合はお焚き上げを行っているところに持っていき処分してもらうことになります。 近くにお焚き上げをしている神社がない場合は自宅で処分することもできます。 その場合、自治体に従って分別をする必要やお清めをするかどうかを考えるとやや面倒だと思う人もいるようです。 またクルマに対する意識の変化という意見もあり、前出の担当者は次のように話します。 「都内では若年層の人はクルマを持たない人も多いのでしめ飾りをあまり購入されないのではないのでしょうか。 一方で、昭和に比べてクルマ自体は当たり前になったことや、処分のことを考えると、わざわざ飾りを付ける人もいなくなったような体感があります」