ポリゴンラボ、スターバックスのWeb3進出に6億円支払い:関係者
オデッセイの終わり
スターバックス オデッセイは、招待制の「ベータ」プログラムとして18カ月間運営され、ニッチなファンを育てることに成功した。活気あるディスコードサーバーとともに、NFTを取引するカルト的な支持者を生み出し、支持者たちはソーシャルメディアでプログラムを盛り上げ、ポイント獲得の戦略を立てるためのTipsサイトまで作った。 先週、スターバックスが突然、オデッセイの終了を発表したとき、コミュニティは衝撃に包まれた。CoinDeskが確認したメッセージのスクリーンショットによると、メンバーは悲しみや怒り、切ない思い出のメッセージを交換し合っていた。 暗号資産コンサルタントで、オデッセイのメンバーでもあるブライアン・ケイン(Bryan Kayne)氏は「時間とお金を費やしてきた者として少し動揺していることは確かだが、全体的には大企業の方針転換について理解しているし、スターバックスがコンセプトをテストしてくれたことをうれしく思っている」とCoinDeskに語った。 スターバックスの担当者は、CoinDeskへのメールで「我々は、このプログラムの将来に我々が学んだことを適用することを楽しみにしている」と述べた。だが、その将来について、またWeb3での取り組みを継続するかどうかについては詳しく説明していない。 「ポリゴンとの関係、そしてポリゴンがスターバックス オデッセイに貢献してくれたことを高く評価している」と担当者は続けたが、ポリゴンとのビジネスパートナーシップをめぐる金銭については言及しなかった。
旧ポリゴン、新ポリゴン
スターバックスとの取引は、ライアン・ワイアット(Ryan Wyatt)氏のリーダーシップの下、ポリゴンが追求した高飛車で、ビッグネームを前面に押し出した取引スタイルの典型だった。2人の関係者によると、ワイアット氏は2022年初頭から2023年半ばまでポリゴンラボのプレジデントを務めていたが、更迭された。 「現在のポリゴンラボを見ると、この9カ月の間にマーケティング的価値よりも、ZK(ゼロ知識証明)技術やオンチェーンにより直接的なインパクトを与える取引に焦点を当てるテクノロジー企業にシフトしている」と関係者は述べた。 このシフトはまた、暗号資産に触れていないオーディエンスを対象に、Web3プロダクトを構築することの難しさを反映している。何人かのユーザーとオデッセイ支持者たちは、オデッセイは暗号資産ウォレットを持っていない人やブロックチェーンを理解していない人、つまり多くの人(すなわち、ほとんどのスターバックス顧客)に向けて作られたと語った。 スターバックスとの取引に携わったポリゴンの元スタッフは、オデッセイが閉鎖されることに驚きはないと述べた。 「私の意見では、Web2を追求することは愚か者のすることだ」「暗号資産ネイティブのストーリーは、うまくやれば十分に大きい」 ワイアット氏は、現在勤めているOptimism Unlimitedの広報担当者を通じてコメントを避けたが、ポリゴンを去った後に行った講演では、スターバックスとの取引のマーケティング価値を強調していた。 「我々は、人々がポジティブなストーリーを求めている非常に良いポジションにいたので、多くの取り組みが大きな効果を発揮した」と同氏はポリゴンを去った数カ月後の2023年9月、暗号資産投資会社Variantとのインタビューで語っている。「有名ブランド」とのパートナーシップは、ポリゴンが「信頼性を確立する」ことに役立ったと同氏は語った。 ポリゴンがパートナーシップに助成金を組み合わせたことはよくあることで、そうしたことは暗号資産業界では一般的だったと元スタッフは語った。ワイアット氏も2022年12月にCoinDesk TVで同じように語った。 「すべてのプロトコルがお金を支払って取引をしている」 |翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:GoToVan/Wikimedia Commons, modified by CoinDesk|原文:Polygon Labs Paid $4M to Host Starbucks' Failed Foray Into Crypto: Sources
CoinDesk Japan 編集部