日ハムの「値下げ要求」を突っぱねて「値上げ」した…?札幌ドーム叩きの「勘違い」と「嘘」を暴く!
値上げの理由は「消費税増税」
そのため急な値上げはできませんし、反対に、お願いされたからといって特定の団体だけをいきなり値下げもすることはできない。また利用団体が値下げを求める場合は財務状況などを示す資料を提示し、札幌市や議決権のある市議会に要望しなければなりません。 一方、議事録などを見る限り、日ハムが市や市議会に直接値下げを要望しに来た記録はありません。にもかかわらず、なぜかネット上では『札幌ドーム側が値下げ交渉にのらなかった』という話になっているのです」(成田氏) 市が値下げの要求を突っぱねるもなにも、日ハム側は正式な手続きを踏まえてすらなかったというわけだ。また使用料の値上げについても、複雑な理由や市当局の思惑があるわけでも、日ハムだけ不当に値上げされているわけでもないという。 「消費税増税があり、その分を価格転嫁しなければならなかったからです。そのため、値上げが行われたにすぎません。当然議会でも議論の末、承認を得ていますし、野球に限らず、コンサートなどそのほかのイベントを開催する際も同じ金額を請求しています」(成田氏) 値上げ以前に「そもそも札幌ドームの使用料はぼったくり価格だ」という批判も見られる。これも実態には即していないようである。 札幌ドームがホームページ上で公開している情報によれば、野球のような大規模イベントの1日あたりの基本使用料金は847万円。観客数が2万人を超えた場合、ここに1人あたり423円が加算される。その他、設営撤去料金が1日あたり423万5000円かかる。日ハムの発表資料を見ると、札幌ドームを拠点としていた当時は、球場使用料に年間約9億円を費やしていたようだ。
札幌ドームは「ぼったくり」?
では、この金額は「ぼったくり」なのか。日本球界には2023年以前の日ハム同様、運営母体が異なる球場を拠点としている球団がある。その一つが、東京ドームを拠点とする読売ジャイアンツだ。 東京ドームを運営する「株式会社東京ドーム」の資料を見ると、東京ドームの基本料金は1日あたり2200万円である。23年のジャイアンツの総試合数は71試合、単純計算で年間15憶6200万の使用料がかかる。これだけで、札幌ドームの使用料の倍近くになる計算だ。 また、東京ドームでも設営や撤去などの準備日にも1日あたり1100万円の使用料金がかかる。そのほかにも時間外利用での使用、警備員や整理員の手配、清掃が必要な場合には別途料金がかかるため、年間の使用料は15億6200万では済まない。 札幌ドームと東京ドームを見比べてみるかぎり、札幌ドームが不当に高い使用料を日ハムに課していたとまでは言えないのではないだろうか。 『「札幌ドーム叩き」のほとんどが「的外れ」といえるワケ…「薄い人工芝」が批判されてきたが「そもそも野球のために作られた施設ではない」』に続く
週刊現代(講談社)
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