北九州市のマクドナルドの店舗で14日夜、中学生の男女2人が男に刺され、女子生徒が死亡した事件です。男は刃物のようなものを持ったまま、現場から逃走していて、警察は殺人事件として男の行方を追っています。 現場となった北九州市小倉南区徳力のマクドナルドの店舗では16日も、花を手向ける人たちの姿が見られました。 ■現場を訪れた人 「若い命が失われてかわいそう、ただそれだけです。」 信じがたい事件が起きたのは14日、土曜日の午後8時半ごろです。 ■宮原真記者 「中学生が刺されたのはこちらの飲食店です。現在、警察が店の入り口付近で鑑識作業を行っています。」 マクドナルド322徳力店を訪れていた中学3年の中島咲彩さん（15）と、同じ中学校の友人で15歳の男子生徒が突然、男に刃物のようなもので刺されました。 ■近くに住む人 「サイレンがすごく、びっくりした。（パトカーが）続々と。音がすごかった。」 腹部を刺された中島さんは、搬送先の病院で死亡が確認されました。男子生徒は腰を刺されたものの意識はあり、入院中です。 中島さんは小学生のころ、薬剤師になる夢を抱いていたといいます。子どもが中島さんの同級生という女性は。 ■女性 「学校では明るい子だったから、よく遊んでいたみたいで。賢い、明るい子。」

現場は国道322号沿い

現場となったマクドナルドの店舗は住宅や団地、小学校などがあるベッドタウンに近く、国道沿いに位置しています。 その国道沿いの入り口から、店に入ったという男。警察によりますと、店内には数人がレジに並んでいました。その最後尾にいたのが中島さんと男子生徒です。2人は、塾帰りだったとみられています。男は入店後、まっすぐ2人の元に向かい、無言で立て続けに刺して逃走しました。わずか30秒足らずの犯行でした。病院に運ばれる際、男子生徒は次のように話したといいます。 ■男子中学生 『知らない人に刺された。』 中島さんと男に面識があったかどうかは分かっていません。現場から凶器は見つかっておらず、男は刃物のようなものを持ったまま、北の方向へ逃走したとみられています。15日、現場近くには捜査員の姿が見られました。現場から北に150メートルほどの場所で、男が逃走したとみられる方角です。捜査員が採取していたのは、たばこの吸い殻でした。捜査員に話を聞かれたという従業員は、次のように語りました。 ■従業員 「（捜査員が）吸い殻か何か、ありませんでしたかと。排水口、その辺を探していました。吸い殻が新しかった。2本、回収していった。」 さらに、現場から北に400メートルほど離れたビルからは捜査員が出てきました。 ■従業員 「（捜査員に）『防犯カメラ見れますか？』って言われて。防犯カメラを見ているみたいで。 探しているみたいですよ。」 周辺にある防犯カメラの捜査も行われていました。 逃走中の男は40歳くらいで、身長170センチほどの中肉、逃走時は、灰色の上着に黒のズボンを着用し、黄色っぽいサンダルのようなものを履いていたということです 捜査関係者によりますと、これまでに殺害された中島さんに関するトラブルは把握していないということです。 腰を刺され入院中の男子生徒の傷も致命傷になりかねない深いもので、捜査本部は男が強い殺意を持って2人を刺したとみています。 男は現在も逃走中で、捜査本部はおよそ90人態勢で男の行方を追っています。