【解説】東京で3年ぶり「はしか」確認 ウイルス“最強の感染力”…マスクだけで「防げず」
■「定期接種」世代により違い 51歳以上は特に注意
手洗い・マスクでは予防できないので、免疫の有無が重要になります。一度感染して発症すると「一生、免疫が持続する」と言われていますので、小さいころにかかったことがあるかを確認してみてください。 また、気をつけたいのが予防接種です。過去に2回予防接種を受けていれば、大幅に感染リスクが下がります。ただ、国が接種を推奨する「定期接種」となっていたかは世代によって違うので、注意が必要です。 厚生労働省によると、2000年4月2日以降に生まれた人は、定期接種として2回のワクチン接種を受ける機会があります。それ以前に生まれた人は、定期接種としては1回だったか(※国の措置で2回の人も)、もしくは接種の機会がなかった人(※1972年9月30日以前生まれ)となっています。定期接種ではなかった、51歳以上の人は特に注意が必要だということです。
■予防接種の免疫が“低下”している場合も
私たちが16日、神奈川・川崎市にある新ゆり内科の高橋央院長を取材すると、気になる指摘もありました。 高橋院長によると、予防接種の免疫はそれほど強くないため、2回接種していても時間がたつと免疫が低下している場合もあるそうです。 クリニックには、留学や海外赴任などの前に抗体検査を受けるために来院する人がいます。6歳ぐらいまでに予防接種を2回していても、高校生や大学生でもすでに免疫が低下してしまっている人がいたといい、30代・40代ではすっかり免疫がなくなっている人もいたということです。 このため、特に東南アジアなどの流行地域に行く人は事前に抗体検査を受けて、予防接種をするなど対策をとることも有効だといいます。 高橋院長によると、海外で感染してくるケースが多いということです。はしかが流行している東南アジアなどに行って感染し、ウイルスを持ち帰ってきてしまうそうです。 高橋院長のクリニックでも今月、はしかに感染した人が1人確認されたそうです。患者は中年の男性で、インドネシアを出張で訪れ、帰国直前から体調不良を感じ、その後発熱しました。血液検査などを帰国直後にしたところ、インドネシアで流行しているはしかのウイルスが検出され、保健所に届け出たといいます。 大型連休に海外旅行に行った人も多いです。連休明けは特に注意が必要だということです。 厚労省は16日の会見で、患者と接触があったり海外から帰国後にはしかを疑う症状があったりした場合、受診の際は公共交通機関の利用を控え、必ず事前に医療機関に連絡し、医師の指示に従ってほしいとしています。 (2023年5月16日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)