【解説】東京で3年ぶり「はしか」確認 ウイルス“最強の感染力”…マスクだけで「防げず」
日テレNEWS
東京都で、3年ぶりに男女2人が「はしか」に感染したと確認されました。はしかは、「ウイルスの中で最も強い感染力を持つ」と言われています。どのようにして感染したのでしょうか。 ●同じ空間にいるだけで… ●ワクチンに年齢差 ●連休明けは注意 以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■感染者に“共通点” インド帰りの感染者と同じ新幹線に…
東京都で、はしか感染者が確認された経緯を見ていきます。 最初に感染が確認されたのは、茨城・つくばみらい市在住の30代男性です。男性は先月14日、インドから帰国しました。その1週間後の21日に発熱やせきの症状が出て、23日には発疹が現れたといいます。 そして、先月23日に新幹線など公共交通機関を使って、兵庫・神戸市から茨城まで移動しました。その翌日に医療機関を受診し、27日に感染が確認されました。今月16日の時点では回復し、退院したということです。 そして、この茨城の男性の感染が確認されてから約2週間後の今月12日、東京都は新たに、都内在住の30代女性と40代男性の感染が確認されたと発表しました。2人は軽症で、16日時点で入院中です。 この3人には面識がなかったとみられていますが、“ある共通点”がありました。 先月23日、最初に感染が確認された茨城在住の男性が乗っていたのが、新神戸駅から午後9時33分に東京駅に到着した「のぞみ50号」の9号車です。3人は、この同じ車両に乗り合わせていたのです。東京都は、都内の2人は茨城の男性から感染したとみていて、同じ新幹線を利用した人は健康状態に注意するように呼びかけています。
■「はしか」感染力はウイルスで“最強” 同じ空気を吸うだけで…
はしかは感染すると、約10日後に発熱やせき、鼻水といった風邪のような症状が現れます。発熱が2~3日続いた後に39℃以上の高熱が出て、口の中に白い斑点が出たり、赤い発疹が現れたりします。 1週間から10日ほどで回復しますが、怖いのが合併症です。肺炎、中耳炎といった合併症を引き起こしやすく、脳炎になることもあります。死亡する割合は、先進国でも「1000人に1人」と言われています。 感染力はウイルスの中で「最も強い」と言われていて、手洗いやマスクの着用だけでは予防はできません。飛まつ感染、接触感染だけでなく「空気感染」もするため、はしかを発症している人と同じ空気を吸うだけで感染することがあります。 免疫を持っていない人が感染すると、「ほぼ100%発症する」ということです。例えば、“免疫がない集団に1人の発症者がいたとして、この人から何人に感染するか”というと、インフルエンザの場合は“1~2人”ですが、はしかは“12~18人”に感染するとされています。