余剰生地をかりゆしウェアに 県内4社でプロジェクト始動
かりゆしウェアメーカーで余っている生地を再利用し、新たなウェアを製作する「アップサイクルかりゆしプロジェクト」が県内の関係企業4社の協力でスタートした。余剰生地で作られたウェアは11月からレンタルされ、八重山など離島でもサービスを利用できる。 プロジェクトは、サトウキビ絞りかす(バガス)を約30%含む和紙糸で作る「バガス生地」を開発したCurelabo株式会社、バガス生地を使ったかりゆしウェアのシェアリングサービスに取り組む株式会社BAGASSE UPCYCLEを中心に始動した。 両社の代表を務める小渡晋治氏は8日、県庁で記者会見し「アパレル産業は大量生産、大量廃棄の構造を抱えている。循環型でサスティナブル(持続的)な業界に変えていくべきだ」と提起した。 小渡氏は県内最大手のかりゆしウェアブランドを展開する株式会社日進商会(糸満市)にアプローチ。同社は現在、余剰生地の在庫が約百反に達するという。一部は小物の製作に使用したが、新たなかりゆしウェアを製作するには工場のキャパシティが足りず、ほとんど使い道がない状態だった。 プロジェクトに参加した同社は、かりゆしウェアのシェアリングサービスで県内トップシェアのかりゆしウェアレンタルAnne(アン)(豊見城市)に余剰生地を無償提供。Anneは余剰生地とバガス生地と組み合わせ、ワンピース、Tシャツ、子ども服などの新たなかりゆしウェアを製作した。 新たなかりゆしウェアはAnneとBAGASSE UPCYCLEで一般向けにレンタルする。料金設定は2泊3日3500~4000円で調整している。離島の場合は1週間レンタル可能とする予定。 日進商会の大城直也代表取締役社長は「本来は埋もれてしまう生地を復活させるのは、環境に配慮するSDGsや、わが社の企業理念にも叶っている」と話す。 Anneの朴允淑(パク・ユンスク)CEOは「沖縄の文化を取り入れ、おしゃれで、着たくなるデザインのかりゆしウェアを作ってみた。一般にも広く使ってもらえるよう、手ごろな値段でレンタルしたい」と意気込んだ。