藤井聡太棋聖、５連覇＆「永世棋聖」資格獲得に〝王手〟 １７日棋聖戦第２局／将棋
将棋の藤井聡太棋聖（２１）＝８冠＝が山崎隆之八段（４３）と対局する「ヒューリック杯第９５期棋聖戦五番勝負」（主催・産経新聞社など、特別協賛・ヒューリック）の第２局が１７日、新潟市の岩室温泉「高志（こし）の宿 高島屋」で指される。両者は１６日、現地で主催者の取材に対応。白星発進の藤井棋聖は昨年、棋聖４連覇を決めた同所で勝利を目指し、５連覇と「永世棋聖」の資格獲得に〝王手〟をかける。 【写真】日本酒を飲んだ藤井聡太氏「すごく辛くてびっくり」 最高気温２９度、湿度９０％と蒸し暑くなった新潟の名湯、岩室温泉に到着した藤井棋聖。１６日は対局室で行われた検分では窓から入る日光や空調などを確認し、「高島屋」が用意した扇子には「飛翔」と力強く揮毫して気持ちを高めた。 同所には昨年７月の第９４期棋聖戦第４局で訪問。挑戦者の佐々木大地七段（２９）に対して２勝１敗で対局し、結果は勝利して４連覇を達成。「私にとって思い出深い場所です」と〝地の利〟を実感していた。 温泉は神経痛や筋肉痛などに効くとされ、「温泉も食事も素晴らしく、今回も楽しみにしています」。江戸時代中期から約２７０年の歴史を持つ国登録有形文化財の宿で心身を癒やしながら、６日の第１局に続く連勝を狙っていた。 藤井棋聖の対局は第１局以来で「棋聖戦と（２０日の）叡王戦（第５局）を意識して過ごした」と研究に集中。独創的な棋風の山崎八段との第２局では、「序盤から定跡を外れて構想力が問われる将棋になるので、うまくさせるように集中したい」と抱負を語った。 一方、自身いわく「うっかり」の一手が「奇想天外」などと称賛される山崎八段は第１局を「完敗でした」と説明。その後の研究として、「第一感でパシッと指したほうがいい傾向にある」と持ち味を再確認し、「それをさせないのが藤井棋聖の強さ」と分析した。 扇子の揮毫では「何があってもあきらめない」を意味する「不技之志」（ふばつのこころざし）で決意表明。「後手番で攻め込まれる可能性が高いが、粘り強さを意識したい」。初タイトル獲得に向けた初白星で、反転攻勢ののろしを上げる。（山内倫貴）
