スズキと永大化工が開発したモノマテリアルフロアマット（左）と従来品

　スズキと自動車用フロアマットなどを手掛ける永大化工は25日、素材にポリエステルのみを使った「モノマテリアル・フロアマット」を共同開発したと発表した。リサイクルが容易な単一素材のフロアマットを開発するのは両社が初めて。再生材の利用や軽量化効果などにより、原材料製造ベースで二酸化炭素（CO2）排出を従来より約7割削減できる。 　一般的なフロアマットは、パイル糸（カーペット）にポリプロピレン、カーペット基材にポリエステル、裏面材料にSBS樹脂、パイルを固定する糊にSBRラテックスを用いる。製造時に発生した端材では、SBS樹脂などをのぞき、端材の大半は処分している。 　共同開発品は100％ポリエステル化した。裏面の材料にリサイクルポリエステルの不織布を採用したことで、マットの重量も2.6キログラムと従来に比べて約4割軽くした。 　スズキは品質などを最終確認しだい、新車に採用していく。荷室用マットなどへの展開も視野に入れる。永大化工は、モノマテリアル・フロアマットを他社にも売り込む。 　スズキの商品企画本部四輪デザイン部インテリア課の日向隆主幹は「スズキだけの量ではスケールメリットは出ない。リサイクルの実現・CO2削減に向けしっかり（他社とも）組んで回収プロセスを構築したい」と話した。