A東京を今シーズン最少得点に抑えたシーホース三河、存在感を示した長野誠史も「今シーズンの中で一番良かった」と胸を張る
流れを変える、今シーズン2度目の『技アリ』プレー
ディフェンスはもちろんながら、長野はオフェンスでも違いを生み出した。得点は8に留まったが、速攻でのバスケット・カウント、オフェンスが出詰まりとなった時のプルアップスリーなどインパクトは大きい。2連続で失点し点差を1桁に戻され、タイムアウトを取った直後には、エンドラインからのインバウンドパスをセバスチャン・サイズの背中に当て、ゴール下を決める『技アリ』のプレーを見せた。 「今シーズンは2回目なんです」と長野は笑顔で振り返ったが、リスクを伴うため強心臓でなければできないプレーであり、A東京の反撃の芽を摘む一撃だった。「正直、サイズ選手だったのでシュートを打つ瞬間はビビりながらでした。でも常に狙ってはいるし、的もでかかったので。相手のダメージもでかいですし、こっちとしては勢いが乗るタイミングだったのかなと」 昨シーズンの長野は出場した59試合中39試合で先発を務め、ともにキャリアハイとなる7.3得点、4.0アシストを記録するなど、オフェンス面での活躍が目立った。今シーズンは京都ハンナリーズから移籍してきた久保田義章に先発の座を奪われた形となったが、自身の役割は変わらないと言い、いかにチームに貢献できるかにフォーカスしている。 「(先発でも)どっちでもいいですし、やるべきことは変わらないと思っています。自分が出た時はハードにディフェンスをして、ファストブレイクが出せる時はしっかり走る。去年の方がバシバシ打っていたと思うんですけど、誰が今一番良いのかなどを考えながらコントロールしています。自分だけにはならず、チーム全体でっていうのが強いです」 中地区2位ながら、3連敗と足踏みをした三河。それでも、チームとしてシーズンハイのパフォーマンスで難敵を下し、チャンピオンシップへ大きな1勝を手にした。この試合をスタンダードにしつつ、より高みを目指すと長野は言う。「このままCSに行くためには、(サンロッカーズ)渋谷や川崎(ブレイブサンダース)との直接対決でしっかり勝たないといけないので、そこに向けてしっかりと準備していきます。自分たちの目標はチャンピオンシップに絶対に出て、その先の優勝だとチームのみんなで言っています。今日みたいな形で勝てるように、全員でコミュニケーションを取りながらチーム力を深めてやっていきたいです」
丸山素行