震災経験の職員3割未満に 震災30年前に神戸市長インタビュー
阪神大震災で甚大な被害を受けた神戸市で、震災を経験した市職員が全体の3割未満になったことが9日、分かった。久元喜造市長が震災30年を前に報道各社のインタビューで明らかにした。発生25年の令和2年時点と比べ経験者は約1600人減少しており、災害の対応や教訓をどう継承していくかが課題となる。 神戸市によると、市職員は令和6年4月現在、1万2846人。うち震災後採用の職員は9288人で全体の72・3%を占める。2年4月は全職員が1万3623人で、未経験者は8465人と62・1%だった。 久元市長はインタビューで、平成23年の東日本大震災や昨年の能登半島地震への職員派遣を踏まえ、「震災の記憶を継承するには支援活動が非常に大事」と強調。「震災を経験したベテランが震災を知らない職員と汗を流し、記憶や経験、思いを受け継がなくてはならない」と語った。 また、新長田駅南地区の再開発事業が昨年10月末に終わり、ようやく兵庫県内の震災復興事業が全て完了したが、久元市長は「(再開発ビルの)商業スペースの売却が進まず、市は想定以上の財政負担を抱えた」と指摘。「教訓はこれからの町づくりに生かさないといけない」とした。