元ジェイ・ケイのBMW「3.0CSLバットモービル」はプレ値がつく!? ル・マン・クラシックで2連勝した個体でも3000万円ほどだった理由とは
2021年初頭に最後のメカニカル・リフレッシュを行う
現オーナーはその後、ヨーロッパのクラシックカーレースシーンに復帰するための準備を、クラシックBMWのスペシャリストである「ラランカ・エンジニアリング(Laranca Engineering)」社に託した。 同社は、ヒストリックモータースポーツのより過酷な現代的基準に適合させるため、6桁ポンド以上の資金を投入し、マシンを徹底的にブラッシュアップした。そののち、FIAドキュメントが発行され(GB11382)、2027年12月31日まで有効となっている。 現在の所有者のもと、この「バットモービル」はヨーロッパ各地で繰り広げられるピーター・オート系サーキットイベントに参戦し、好成績を収めてきた。また、同じくピーター・オートがオーガナイズする「ル・マン・クラシック」にも招待されたが、残念ながら現オーナーは現在南米に住んでいるため、エントリーはできなかったという。 結局バットモービルは、2021年初頭に最後のメカニカル・リフレッシュが行われたのち、それ以来レースには出ていないとのことである。 アイコニック・オークショネアーズ社は、「ル・マン・クラシック」を含む世界最高峰のクラシックカーレースにも参加の権利を有することにくわえて、レプリカ製作に掛かった費用、同じスペックの3.0CSL仕様車のマーケット相場価格、さらに35年以上にわたるレース実績などを考慮して、16万ポンド~18万ポンドというエスティメート(推定落札価格)を設定した。 ところが、実際の競売では思うようにビッド(入札)が進まなかったのか、エスティメート下限をわずかながら下回る15万1875ポンド。日本円に換算すれば約3030万円という、出品者側にとってはいささか不本意、購入者にとってはリーズナブルな価格で落札されるに至ったのだ。 この落札価格は、ロードバージョンの3.0CSLの相場価格よりも少し高いという程度のもの。たとえクラシックカーの世界でも尊敬されているスーパーセレブリティ「ジェイ・ケイの元愛車」という肩書きがくわえられようとも、やはり後世にモディファイしたレース仕様車では、このあたりに落ち着くのが順当なのかもしれない。
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