「うなぎパイ」きょう販売再開、JR名古屋駅で“愛”を再認識
静岡県浜松市の銘菓・うなぎパイが4月から、JR名古屋駅のホーム売店などで販売取りやめになり、インターネット上で話題になっていた件で、製造元の春華堂(静岡県浜松市中区)が、同駅構内で販売を再開すると公式ホームページで発表。きょう16日から再び店頭に並んだ。 なぜ消えた? ネットで波紋「うなぎパイ」JR名古屋駅売店の販売取りやめ 同駅内でキヨスクなど28店舗を運営するJR東海子会社の東海キヨスクの担当者は「インターネット上の反応などで、名古屋駅でのうなぎパイ販売の要望が多く、商品が愛されていることを再認識した。総合的に判断して販売再開を決めた」と説明した。
新幹線ホームなどでも販売再開 話題になって再注目
販売再開した店舗は、新幹線の上下線ホームや、私鉄への乗り換えのコンコースにある店舗など16カ所。同駅西側のエスカ地下街にあるギフトキヨスクでは販売を続けていたため、販売店舗は全17カ所となる。 販売再開の同日午前、同駅のギフトキヨスク名古屋桜通口店では、712円から1964円のうなぎパイ各種が、駅利用者から目につきやすい店舗入り口付近に並べられ、販売再開をアピール。報道された影響もあり、「うなぎパイだ」と声を上げる通行人の姿もあった。 うなぎパイは今年2月まで、東海キヨスク運営の同駅構内24店舗で販売されていたが「定期的な取扱商品の見直しと、他の土産物などの兼ね合いを考えた」という理由で、販売店数が徐々に減らされ、4月には1店舗だけでの販売となった。 このことについて、8月下旬からネット上で注目を集めて、さまざまな意見や臆測が飛び交うようになったため、春華堂が販売中止に関する公式コメントを発表する事態になっていた。情報が拡散されていく中、JR東海の柘植康英社長は、7日に開いた記者会見で、販売再開に向けた話し合いを行っていることを明かし、動向に注目が集まっていた。
製造元 声援に感謝 販売中止問題…解消へ
春華堂の担当者は「ネット上の反応がとても大きく、販売再開を後押しした」と、全国から寄せられた声援や、うなぎパイファンに感謝した。販売中止についての公式コメントを掲載した9月3日以降、同社ホームページのアクセス数は従来の3倍に跳ね上がった。電話でも多い日に15件ほど問い合わせがあり「販売中止とはどういうことか」「名古屋駅で買いたい」という声が寄せられた。近年、1つのことについての問い合わせ電話が15件も寄せられたのは「異例のこと」。再開告知後もホームページは、アクセス数が多い状態が続いているという。 今回のうなぎパイ販売再開で「新幹線『のぞみ』の停車ホームで買えない」などの、“問題”は解消。春華堂担当者は「今後もお客様に愛されるお菓子づくりを第一に考え、一層努力していく」と、気持ちを新たにした。 うなぎパイは、パイ生地にウナギのエキスを混ぜた焼き菓子で、春華堂が1961年に発売後、浜松土産として定着した。夜の夕食だけは家族の集まる団らんのひとときとして、うなぎパイを囲んで楽しんでほしいという意味を込めて「夜のお菓子」と称されるようになった。職人による手作りで、年間8000万本が製造される。 (斉藤理/MOTIVA)