その勧誘や広告…紛らわしくない? 奮闘する「適格消費者団体」 成人年齢引き下げで若年層へ啓発強化 ネットワークかごしま
NPO法人「消費者ネットワークかごしま」(森雅美理事長)は、消費者被害防止のため15年以上活動する。これまで不当な勧誘・契約や紛らわしい広告などを行う事業者に対して、問い合わせや改善申し入れを31件実施した。当時者に代わって訴訟を起こせる「適格消費者団体」にも県内で唯一認定されている。「おかしいと感じたら情報を寄せて」と呼び掛けている。 保護者同意なしに契約できる18、19歳 相談最多は脱毛エステ「店が倒産」「高額な解約料請求」 県22年度まとめ
個別の消費者トラブルの解決ではなく、被害拡大や未然の防止に向けた役割を担う。弁護士や消費生活相談員、消費者団体などが2008年に設立。22年6月に国から全国23番目の適格団体に認定された。 改善を働き掛ける対象は県内外を問わない。申し入れなどの結果、「納入後の入会金や会費は理由を問わず返還しない」としていたスポーツクラブが規約変更した例や、健康食品や化粧品に効果効能があるかのように表現した広告を販売元が改めた例などがある。適格団体になってから提訴に至った例はない。 県の委託分を含めて一般向けの消費生活講座や相談会なども開く。講座は、成人年齢18歳への引き下げに伴い、自分の判断で契約ができるようになった若年層向けを増やしている。 鹿児島市の鹿児島大学生協で2月中旬に開いた講座には学生約10人が参加した。消費生活専門相談員が若者に多いトラブルについて、交流サイト(SNS)を介して投資に誘ったり、定期購入の解約に応じなかったりする例を挙げて注意を促した。法文学部2年生(20)は「トラブルは身近でも耳にする。学んだことを役立てたい」と話した。
東垂水末義事務局長(64)=県生活協同組合連合会専務理事=は「当事者でなくても具体的情報があれば知らせてほしい。新たな被害を生まないことにつながる」と呼び掛けている。
南日本新聞 | 鹿児島