【2024ドラフト採点簿】セ・リーグで「最高の指名」できたのは? 巨人には“疑問”な上位指名も
■巨人:75点 1位で金丸を外して方針転換し、高校生野手の石塚裕惺(花咲徳栄)を指名。現時点での打者としての能力は高校生では間違いなくナンバーワンであり、坂本勇人や岡本和真の次の中軸候補として期待できる。一昨年1位指名した浅野翔吾と同様に早くから一軍の戦力となる可能性も高い。少し疑問だったのが2位の浦田俊輔(九州産業大)だ。守備、走塁の評価は元々高く、2位という順位も妥当だが、巨人は門脇誠、泉口友汰、中山礼都と浦田と同年代の二遊間の選手が揃っており、そこにあえて浦田を重ねる必要性があるようには感じなかった。このあたりの選手をどう整理していくかが重要だろう。昨年のように大学生、社会人偏重ということはなく、育成でも将来性豊かな投手を多く指名できたのはプラス。また3位で指名した内野手の荒巻悠(上武大)、5位で指名した投手の宮原駿介(東海大静岡キャンパス)は地方リーグながら実力は十分で、この2人についても良い指名だったという印象だ。 ■阪神:70点 1位では金丸の抽選を外して同じサウスポーの伊原陵人(NTT西日本)を指名。そこまで左の即戦力投手にこだわる必要があるかは疑問だが、2位で高校生ナンバーワン投手の呼び声高い今朝丸裕喜(報徳学園)を指名して将来に備えられたのは大きかった。また3位の木下里都(KMGホールディングス)も社会人だが、大学から投手に転向したこともあって将来性とスケールの大きさが魅力であり、投手については十分な指名だったように見える。一方の野手もレギュラーの力が落ちてきているキャッチャー、ショートを獲得し、補強ポイントは抑えた指名となった。育成も含めて独立リーグの選手が多く、派手さは感じないものの堅実な指名だったという印象だ。 ■広島:65点 早々に1位指名を公言した宗山塁(明治大)を外して佐々木泰(青山学院大)の指名となったが、ショートは矢野雅哉が成長しており、右の強打者が不足しているチーム事情を考えると補強ポイント的には適切だったのではないだろうか。2位では貴重な左の先発タイプである佐藤柳之介(富士大)を獲得し、上位の2人については狙い通りだったと言える。少し疑問だったのが3位以下だ。岡本駿(甲南大/3位)と菊地ハルン(千葉学芸/5位)の投手2人は将来性は魅力だが少し時間がかかるように見え、野手の渡辺悠斗(富士大/4位)も打撃の力はあるが守備位置がファーストとキャッチャーに限られるところもセ・リーグ球団としては悩ましいところだ。3位で将来性のある選手もまだ多く残っていただけに、3人とも一つずつ順位が高いように見える。全体的には粗削りな選手が多く、カープらしいと言えばカープらしいが、上位も下位も揃って停滞する危険性も含んだ指名だったという印象だ。