【棋聖戦】山崎隆之八段「藤井棋聖にとがめられた」15年ぶり大舞台で独創的な一手を放つも黒星
藤井聡太棋聖(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・=21)が山崎隆之八段(43)の挑戦を初めて受ける、将棋のヒューリック杯第95期棋聖戦5番勝負第1局が6日、千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」で行われ、後手の藤井が山崎を下し、先勝した。藤井は今期、防衛すれば棋聖戦5連覇となり、初の永世称号となる「永世棋聖」を獲得する。タイトル戦には15年ぶり2度目の登場となる山崎はタイトル初奪取を狙う。第2局は17日、新潟市「高志の宿 高島屋」で行われる。 戦型はお互いに得意とする相掛かりとなった。変幻自在な力戦を得意とする山崎は角交換から37手目には7筋の歩を突き越した。セオリーにとらわれない独創的な指し回しでファンを魅了する「山ちゃん」は大舞台でもスタイルを変えない。 37手目について「先手番なのでちょっと欲張ってみた」と振り返り、「欲張った手に対して、後手4三銀(40手目)と引かれて、対応が…。突っ張ったからには何か突っ張った手を指さなければいけなかった。後手後手を引いてペースを握られたまま押し切られてしまった」と悔やんだ。終局後、大盤解説会に登壇した山崎は37手目の独創的な一手を「藤井棋聖にやわらかくとがめられた」と表現した。 タイトル挑戦は09年度の王座戦1回。棋戦優勝は8回を誇る。15年ぶり2度目の大舞台の第1局は落としたが、「フリースタイルの山ちゃん」の持ち味を見せた。第2局へ向け「自分のベストをもっと出したい。もっとノビノビと指したい」と巻き返しを誓った。