上野の子パンダ、近日中に名前発表へ 30年ぶりの命名を待つ地元
(公財)東京動物園協会提供
上野動物園(東京都台東区)で6月12日に生まれたジャイアントパンダの子どもが、20日で生後100日を迎えました。名前の選考が進んでおり、近日中にも発表されます。上野動物園生まれのパンダ命名は30年ぶり。命名を機にイベントを企画する百貨店や新メニューを開発する店舗もあり、地元は湧いています。
名前はどう決まる?
オスの「リーリー」(12歳)とメスの「シンシン」(12歳)のあいだに生まれた赤ちゃんパンダの名前は、一般から公募されています。応募総数は約32万件超にのぼり、トントンの約27万3000件、ユウユウの約12万件を上回る過去最高となりました。 名前の選考委員会は、女優で日本パンダ保護協会名誉会長の黒柳徹子さんらのメンバーで構成。応募件数の上位100点から、現存するパンダの個体名や特定の商品名、人名などをはずし、8点の候補を選考。中国との協議などを経て、最終的に都が決めます。
松坂屋上野店ではくす玉を準備
名前の発表に合わせて、松坂屋上野店では、1階北口でくす玉を割って命名を祝うほか、先着100人の来店客にスパークリングワインを振る舞うイベントを企画しています。 イベントの開催を当日にするか翌日にするかは発表のタイミングによるとしていますが、広報担当者は「名前がお昼ごろに発表されるのなら当日行えると思います」と話します。 このほか、食品フロアではお弁当やお菓子に命名記念掛け紙を用意。店内にあるパンダのオブジェ付近にも赤ちゃんパンダの名前を記したパネルを設置します。
上野グリーンサロンは「一生の思い出に残るメニュー」
上野公園にある飲食店「上野グリーンサロン」では、パンダの命名から一般公開が始まる12月中旬にかけて提供する新メニューの準備を進めています。 同店ではこれまで、カレーやオムライス、カフェラテなどでパンダメニューを展開。店を運営する東京都公園協会によると、食事やスイーツ、セットメニューでの新パンダメニューを検討中とか。「上野動物園にきた人が、一生の思い出に残るようなメニューを開発したい」と意気込みます。
このほか、台東区役所の食堂「チカショクさくら」では、2016年末で提供を休止していたパンダカレーの提供を10月初旬に再開する予定です。店では「名前が決まったあと、パンダカレー目当てのお客様が増えてくれば」と期待をかけます。 都によると、赤ちゃんパンダは20日現在、体重6.0キログラム、体長65センチメートル。順調に生育しており、体を支えて数歩ほど前進できるようになったそうです。 (取材・文:具志堅浩二)