奥能登豪雨、死者8人 珠洲の79歳か、女性遺体 孤立367人
●72時間経過、捜索急ぐ 能登を襲った豪雨から4日目の24日、生存率が大幅に下がるとされる「発生後72時間」が経過し、警察や消防、自衛隊が不明者の捜索を急いだ。珠洲市大谷町では土砂の中から高齢女性が見つかり、死亡が確認された。珠洲署は安否不明の貞廣一枝さん(79)とみて調べている。死者は計8人、不明者は6人になった。孤立集落の状況も明らかになり、県によると輪島、珠洲、能登の3市町で少なくとも367人が救援を待っている。 【写真】孤立集落から陸自ヘリで移送された住民=24日午後3時40分、航空自衛隊輪島分屯基地 珠洲市大谷町では、土砂に埋もれた貞廣さんの自宅兼寺院を自衛隊や消防、警察が200人態勢で捜索した。午後3時ごろ、1階部分で土砂の中から高齢女性が見つかったが、午後7時56分に死亡が確認された。 これまでに確認された死者は輪島市で6人、珠洲市で2人。負傷者は計12人。 孤立集落は、輪島市が8地区34カ所。調査中の大屋地区と鵠巣地区を除く6地区で計289人が孤立している。七浦地区では209人のうち71人が仮設住宅の入居者となっている。 珠洲市は3地区11カ所で55人、能登町は北河内地区で23人が孤立している。 ●自衛隊ヘリで救出 輪島市西二又町では自衛隊ヘリによる孤立住民の救出が行われ、約10人が航空自衛隊輪島分屯基地を経由して避難所などに搬送された。陸自第10飛行隊(三重県伊勢市)が救助に向かい、安全に着陸できる場所がないため「ホイスト」というワイヤ巻き上げ装置で住民をつり上げてヘリに収容した。 ●不明6人 行方不明者は珠洲市と能登町の各1人。このほか、県は24日午後5時時点で安否が分からない人の情報を公表した。問い合わせや情報提供は県危機対策課=076(225)1306=まで。公表された氏名は次の通り。 ▽輪島市 喜三翼音さん(女性14歳、久手川町堂山)前川政二さん(男性80歳、久手川町古込)井角祐子さん(女性68歳、久手川町池田)中山美紀さん(女性31歳、町野町寺地)