“荷物搬送”募集に応募したら、突然“強盗”に変更 「ホワイト案件」から誘い込まれる闇バイトの実態
■小遣い稼ぎが突然、“強盗”の実行役に…入り口は犯罪にあたらない「ホワイト案件」
特筆すべきは事件に関わることになる「入り口」だ。 実行役らは、最初は犯罪にあたらない仕事、という名目で高額報酬をちらつかされ、SNSに応募したとみられている。捜査関係者によるとさいたま市の事件の実行役の中には、「ドライバーの仕事、ホワイト案件」という書き込みにSNSでアクセスしたという趣旨の話をしている者もいるという。 こうして「入り口」に入ると、本人確認として顔写真や身分証の画像を送ることになる。抜け出せないように、名前や住所などを指示役側に“握られる”というのだ。 10月1日に発生した埼玉県所沢市の強盗事件で実行役として逮捕された3人も「SNSで仕事を見つけて応募したが、仕事が変更になり、強盗に加担していた。気づいたときには抜け出せない状況だった」という趣旨の話をしているという。 指示役とみられる人物は仕事の内容が変わった途端、態度を変えるという。その態度は、事件への関与から抜け出せない状況に拍車をかけ、気がついたときにはもう後戻りできない。 所沢市の事件では逮捕された3人のうち1人は、指示役から秘匿性の高いアプリを使った音声通話で「『逃げたら殺す』『逃げてんじゃねえよ』と言われた」という趣旨の話をしているという。 埼玉県警はSNS上での高額報酬をうたうアルバイトの募集の中には犯罪に直結するものがあるとして、広く注意を呼びかけるとともに、もし巻き込まれそうになった場合は速やかに警察に相談するよう呼びかけている。