公立小中学校で50人以上も教員不足…教育現場で進む働き方改革 ITやサポートスタッフ活用で課題解決へ【静岡発】
ITを活用し効率化推進
また、独自で働き方改革に取り組む学校がある。 沼津市の長井崎小中一貫学校で行われているのがITを活用した業務の効率化だ。 朝8時前、教頭が確認していたのは生徒からの欠席と遅刻の連絡。保護者にアプリケーション上で入力してもらうと教員に自動で共有される。 これにより保護者からの電話への対応や教員間での連絡作業を省くことができた。 この自動共有化システムの効果を訊ねると内村浩司 教頭から「かなり楽になっています」と返って来た。 さらに教室でも… 国語の授業を行う6年生のクラス担任・阿辺真言 先生は教員のスケジュール管理にもウェブ上でのシステムを活用している。 画面上にビッシリと並ぶ授業科目。これまで多くの時間を割いていた1週間の時間割の作成も基本となる部分は自動で作成される。 さらに、他の教員との授業時間の調整などもすべてシステム上で可能だ。 さらに、学校行事の作成や会議などもウェブの活用で効率化し、導入前と比べて1日の勤務時間を約1時間20分も削減した。 長井崎小中一貫学校・阿辺真言 先生: 連絡調整の手間が一気に省けたので時間が圧倒的に生まれ、子供との時間が生み出せているのですごくいい。デジタルを通して自分も子供もゆとりが生まれて、接し方が温かくなったり優しくなったり待つことができたり、いろいろな点でいい このシステムを開発したのは2023年までこの学校に勤務していたプログラミングに詳しい教員で、自らプログラミング言語を入力して、システムを作成したそうだ。
現場の成功事例を拡散・共有化
このように業務の改善は各学校独自の取り組みに頼っているのが現状だが、県教委はよい取り組みは広げていく考えだ。 県教育委員会 義務教育課・石田善正さん: (教員が)心身ともに健康な状態で生活することができ、子供と向き合う時間が確保できることで教育の質そのものも向上して、子供の学力等も伸びていく正のスパイラルに入っていく また、県教委と静岡・浜松両市の教育委員会は、採用試験の日程を例年より2カ月前倒し、全国でも最も早いスケジュールとして民間に流れる優れた人材確保を目指した結果、2025年度に採用する教員の希望者は過去10年間で初めて上昇に転じた。 教員も児童・生徒も満たされた環境をいかに作っていくのかが今後の教育のカギと言えそうだ。 (テレビ静岡)
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