風船爆弾や毒物… 旧陸軍の秘密戦兵器を開発した「登戸研究所」の資料館 疎開した長野県にオープン
太平洋戦争末期に長野県の上伊那地域南部などに疎開した旧陸軍の秘密機関「登戸研究所」に関する史料を常設展示する「登戸研究所平和資料館」が12日、駒ケ根市中沢にオープンした。研究所関係の文書や実験器具など約180点を初めて常設展示し、疎開の実態や戦争の教訓を次世代に受け継いでいく。 【写真】「缶詰爆弾」の製造 裏付ける資料か 資料館は市博物館の付属施設で、上伊那地域の有志でつくる「登戸研究所調査研究会」が展示の案内役を担う。建物は市民俗資料館として使われている市有形文化財・旧中沢国民学校木造校舎。1階の一室約70平方メートルを資料館の展示室とした。 同館では、研究所で実際に使われたとみられる机や風船爆弾の模型、戦後の証拠隠滅に関する証言を紹介するパネルなどを展示。子どもでも分かりやすいように、簡潔な説明文を心がけたという。 内覧会があったこの日、同会事務局長、松久芳樹さん(73)が40人余に解説。今後さらに地域住民の証言や、関係資料の調査研究を進めていき、「次に来た時にまた新しいものを見られるような魅力ある資料館にしていきたい」と話していた。 入館無料。土日曜・祝日の午前9時~午後5時に開き、平日は予約制。予約は市博物館で受け付ける。12~2月は休館。