第93回選抜高校野球 天理、24年ぶり4強/智弁、粘り届かず(その2止) スタンド熱く /奈良
<センバツ2021> ◇兄の活躍目輝かせ 〇…三塁側アルプススタンドには、この日も先発し、164球を投げた天理のエース、達投手の弟2人の姿も。地元のクラブチームで同じく投手として活躍する中学2年の冴介さん(13)は、「球数が増えても球威が落ちず驚いている」と力投する兄に羨望(せんぼう)のまなざしを向けていた。小学生の郁丸さん(9)は「みんなの憧れの場所で、かっこよくピッチングしている」と目を輝かせ、紫のメガホンを手にエールを送っていた。【隈元悠太】 ◇選手たちに曲届け 〇…この日は、智弁学園中・高校吹奏楽部の部員ら計43人も地元・五條市から応援に駆け付けた。同校では、3月中旬に応援曲10曲を録音、うち3曲がオリジナル曲という。アルトサックスを担当した元副部長で3年の吉岡奏さん(17)は、「赤いユニホームにひかれ、甲子園で智弁を応援したい」と、同校に進んだ。部活動の引退で、甲子園で応援する最後のチャンス。「現地で演奏できず残念だが、録音した曲が選手たちに届けばうれしい」と笑顔を浮かべた。 ◇監督の子どもらも 〇…三塁側アルプススタンドでは、智弁学園の小坂将商監督の長女で、同中2年の里緒さん(13)と長男で五條市立北宇智小5年の友志さん(10)も赤いメガホンをたたいて選手らを応援した。地元の子ども会で軟式野球に励む友志さんは、毎晩、小坂監督からバットの振り方やボールの捕り方を教わっているという。「お父さんはすごく優しいけれど、試合に負けると機嫌が悪くなる。早く上手になって、甲子園でホームランを打ちたい」【広瀬晃子】