<SUITS/スーツ>中島裕翔“大輔”と磯村勇斗“遊星”の腐れ縁が切ない…第5話レビュー
人はある程度長く生きていると、捨てられない過去というものの扱いに困ることがある。断ち切りたい悪い付き合いだったり、古い恋だったり…。人それぞれ、過去とどう向き合っていくかは、明るく先を進んでいくために重要だ。そんな人生の一場面を切り取ったシーンが見られたのが、2018年10月期に“月9”枠で放送されたドラマ「SUITS/スーツ」第5話。あらすじと共に紹介する。(以下、ネタバレが含まれます) 【写真】「SUIT/スーツ2」の会見で安定のチームワークを語る織田裕二と中島裕翔 ■織田裕二主演の「SUIT/スーツ」が配信中 「SUITS/スーツ」はアメリカのメガヒットドラマ「SUITS」を原作に、勝利のためには手段を選ばない弁護士・甲斐正午(織田裕二)と驚異の記憶力を持つ天才フリーター・鈴木大輔(中島裕翔)が、さまざまな訴訟を解決へ導く痛快エンターテインメント。2024年4月からのFODでは、人気のフジテレビドラマを毎月5作品分、FOD・TVerにて毎日無料公開する「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」を開催中で、第1話(6月6日木まで無料公開中)ほか、期間限定で無料公開中の放送回があり、今からでも十分楽しめるだろう。 第5話は、大輔の悪友・谷元遊星(磯村勇斗)が傷害事件を起こして逮捕されたという知らせが入り、大輔が振り回されていく回。切ったつもりの縁がまるで切れていなかったどころか、甲斐を巻き込む事件へとつながっていき終始ヒヤヒヤさせられる。 ■大輔が嘘をついて乗った車が交通事故をおこす “幸村・上杉法律事務所”で2018年上半期の決算報告会が行われる。甲斐は扱った案件数こそ 蟹江貢(小手伸也)に譲ったものの、売り上げは事務所内1位だった。幸村チカ(鈴木保奈美)は、甲斐と蟹江に同じ賞品を手渡す。 大輔は遊星が逮捕されたとの知らせに、祖母が転倒して怪我をしたと嘘をつき、遊星の元へと向かおうとする。甲斐の指示で大輔は、運転手の赤城達男(ブラザートム)に事情を打ち明け、警察署へ向かった。ところがその途中、赤城がトラックと追突事故を起こしてしまう。事故の相手は、甲斐と面識のある運送会社の運転手・糸井公一(半海一晃)だった。 その後、大輔は遊星の身柄を引き受ける。遊星は、飲食店で他の客と口論になり暴れたらしい。店側からは壊れた食器の弁償を求められていた。しかし遊星は、マンションや車を失った上、借金も抱えているという。甲斐は、赤城から、糸井が示談を拒否しているとの報告を受ける。甲斐は、事故現場を離れただけでなく、嘘までついていた大輔を非難し、この機会に遊星との関係を決着させるよう命じた。 ■大輔が苦悩の末に遊星との絶縁を決断する 遊星との関係をなかなか切れない大輔を見ているとヒヤヒヤする。そもそも甲斐が、記憶力の天才・大輔を拾って弁護士としての人生を歩ませると決めたとき、悪友・遊星との縁を切ることが条件だった。しかし、大輔はキッパリ切ることができず、結果、甲斐を心配させてしまうことに。甲斐の秘書・玉井伽耶子(中村アン)が甲斐に「そんな簡単にリセットできるものなんですかね?」と問い、「過去にいつまでも縛られて未来を台無しにするなんて馬鹿げてる」と甲斐が答えるが、玉井は「分かっていても割り切れないのが人間なんじゃ」と重ねる。このセリフは核心を突いているように思う。 人生の様々な局面で問題が起きた人々を救うのが弁護士という仕事。リセットできない過去を大輔が自分の力でどのように乗り越えていくのかが、この先に描かれる。どんなに頭の良い秀才や天才にも悩みが尽きないということが良く分かる第5話だ。