「一番はやはり金銭問題…」黒木華、田中哲司、多部未華子…俳優独立ラッシュが止まらない“特殊事情”
タレントが所属事務所を退所して独立、あるいは他の事務所に移籍するのは特に珍しい話ではない。毎年、有名無名を含め、誰かしら独立や移籍をしている。 【貴重なツーショット】すごい…!ほろ酔い気分で肩を寄せ合い歩く「黒木華と吉田羊」がかわいい ただこれまでに、短い期間でこんなに多くの人気俳優が独立した例はないだろう。4月に入って芸能プロダクション『ケイファクトリー』に所属していた俳優の佐々木蔵之介と佐藤隆太が「契約満了」をもって退所したことが発表された。 また、3月末には女優の多部未華子も約20年間所属した『ヒラタインターナショナル』を退所し、個人事務所を設立している。他にも、黒木華や田中哲司、長塚圭史ら“大物”が続々と退所を発表した。 特に事務所との関係が悪くなった、あるいはトラブルになっているという話は聞こえてこない。全員が“円満退社”のようなのだが……。なぜ、ここへきて退所・独立が続発するのだろうか。大手芸能事務所の幹部が、切実な事情を語ってくれた。 「契約満了となり、双方が納得するならば円満退社と言っていいでしょう。そうではない場合。つまり、それまで何事もなく順調に仕事していたはずなのに辞める場合は、絶対と言ってもいいですが、何かしら不満があったからです。それは人間関係の場合もありますが、お金、つまり報酬の面が1番ではないでしょうか」 報酬については、事務所のルールやタレント個人で違いがあり、大きく分けて給料制か歩合制となるのだが、歩合制の場合は取り分の比率が一定ではないという。 「事務所が50%取るところもあれば、70%の所もあります。他のスタッフやマネージャーの給料もありますし、専用車の維持費や事務所がタレントの居住費を出していれば、その比率でなければ維持できません。細かいところでは、テレビ局などに売り込みするための接待費などの営業にもお金が出ていきます。それらが、いわゆるマネージメント料です。新人の頃に掛かったレッスン代などの育成のための諸々の費用も回収しなくてはなりません」(テレビ誌ライター) しかしベテランの人気俳優となれば、レッスン料も必要ないし、黙っていても仕事のオファーが来るので売り込みなどの営業も必要なくなる。しかも、 「昔は、テレビ局の方から大手芸能事務所に出演を依頼するという関係でした。今はどんどん若手の才能のある俳優が出てきている時代。テレビ局も大手事務所に頼る必要がなく、積極的に売り込んでくる小さな事務所やフリーの俳優を使う機会が増えました。 大手事務所に所属しても俳優が望むような営業をかけてもらえない。だったら、独立して自分から営業をかけた方が仕事も取れる。そのように人気のある俳優が感じるのは当然の流れかもしれません」(民放テレビ局社員) ということらしい。俳優側にしてみれば、マージンを取られてまで事務所に所属している必要はないということなのだろう。では、今の時代に芸能事務所に所属するメリットとは一体何なのだろう。 「一番大きなメリットは、守ってくれるということです。つまり、一部の過激なファンやマスコミの対策です。個人でやるには煩わしいし限界があります。次に、違約金の立て替え。なにか不祥事を起こし、ドラマや番組、CM降板となったら必ず違約金を請求されます。出演料を返すだけではなく、損害賠償金も請求され、最近では金額が億に達することも稀ではなくなりました。 個人では払えない額です。その場合、事務所が立て替えて、タレントが分割で返していくことも可能ですし、場合によっては返さなくてもよかったり、半額にしてもらうこともあります。それは昔と変わりません」(前出・幹部) 何が起きるかわからない芸能界ではあるが、『不祥事を起こす心配はない』と自認するベテラン俳優たちは、事務所に所属しているメリットがないということなのだろう。では、事務所がタレントの独立を防ぐことはできないのだろうか。かつて、契約期間満了前に独立して、トラブルに発展した事例は少なくないが、 「『この事務所にいたい』『このマネージャーとしか仕事をしたくない』と思ってくれるように、タレントとの信頼関係をしっかりと築くしかないでしょうね。事務所の立場も昔と比べてすっかり弱くなりましたよ」(前出・幹部) と、苦笑する。今後も独立するタレントは増えると思われ、芸能事務所消滅の危機は正に今そこにある。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://twitter.com/FRIDAY_twit
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