能登半島地震で被害を受けた日本航空石川、地元のため、ラグビーのつながりに感謝して熊谷のピッチに立つ。全国高校選抜ラグビー大会
支援の輪は広がり、輪島を離れて練習場を転々としている日々のため、移動のための費用や、ラグビーの備品などのサポートも受けたという。
選抜大会の1回戦で日本航空石川は、近畿代表の強豪・京都成章(京都)と対戦する。2020年、コーチから指揮官に昇格したナイ監督の下、日本航空石川はディフェンスに注力しており、前に出るディフェンスを軸に、相手のミスやターンオーバーからトライを挙げる形に磨きをかけてきた。
ナイ監督は「いろんな方々からサポートがあったからこそ、ラグビーができています。その感謝の気持ちを持って、試合で結果を残すことが恩返しになる」と話し、「短い準備時間でどれだけ挑戦できるか」をテーマにチャレンジャーとして選抜大会に臨む。
荷物を取るため、1度だけ輪島の寮に戻ることができたという副将の1人、SO(スタンドオフ)小嶋眞心(2年)は、「ラグビーのつながりを大きく感じました。そのつながりを大事にプレーして、今ラグビーができていることに感謝して、輪島のために精一杯やりたい。身体を張って、前に出続けるディフェンスをしてアタックに活かしたい」と意気込んだ。
また、日本航空石川といえば突破力に長けたNO8(ナンバーエイト)カイアヌアヌ・セニセニ、WTB(ウィング)シオネ・フィナウ(ともに2年)、身長190cmを超えるLO(ロック)エドウィン・ランギ(1年)のトンガ人留学生がおり、FWのモール、接点も武器だ。
副キャプテンのLO立松大(2年)は「自分たちのため、輪島のためにFWからガツガツやっていきたい。自分たちのモールで京都成章からトライを取りたい」と語気を強めた。
「地震の影響で練習時間が短いことは言い訳にできない」と話すコンタクトに強みを見せるCTB(センター)上野主将は、「個人としてはキャプテンですし、日本航空石川のある輪島に勇気、笑顔を与えるようなプレーがしたい。自分が一番、思い入れが強いと思うので、しっかり身体を張りたい」とまっすぐ前を向いた。