ちょっと古いフェラーリの“カーナビ問題”とは?(連載:33歳、フェラーリを買う)
29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに? フェラーリのカーナビ問題と解決方法の詳細はこちら!!!
使い勝手が微妙なワケ
わがフェラーリ「カリフォルニア」(2010年式)には、純正のHDDナビゲーションシステム(アルパイン製、NVA-HD55S)が搭載されている。ただし、10年以上前のシステムゆえ、最新のインフォテインメントシステムと比べると、使い勝手はイマイチ。 まずタッチパネルでの操作が不可能な点。すべての操作はリモコンでおこなう必要がある。ただし、インパネに設置されているパネル自体はタッチ機能付き。ナビゲーションシステム以外の機能(音楽など)は、画面をタッチすることで操作、設定する。 リモコンの操作性もイマイチ。購入当初、タッチパネルに向けてリモコンのスイッチをいくら押しても反応しないので、「おや?故障か?」と、焦った。よくよく調べると受信部が助手席側ダッシュボードの奥にあったのだ。 地図データも古い。2010年に一部供用開始した首都高速道路の「大橋ジャンクション」は登録されていたものの、2015年に開通した中央環状品川線はナシ。更新しようにもNVA-HD55シリーズ用のHDD書き換えサービスはすでに終了していた。 いっそのこと、最新のナビゲーションシステムに載せ替えることも考えた。以前、フェラーリ横浜サービスセンターの高橋忠久工場長からカリフォルニアの定番トラブルとして、インフォテインメントシステムの動作不良があることを聞いた。たとえば、モニターのブラックアウト。10年以上の前の電子機器だから、経年劣化に伴う故障は大いに考えられる。モニターが見えないと、ナビ以外にオーディオシステムやバックカメラなども使えない。壊れた時点での交換も考えたものの、載せ替えるなら早い方がストレスは低減されるはずだ。 しかし交換作業時、ダッシュボードの広範囲を脱着しなければならないため、費用が嵩む。工賃はおおよそ数十万円。費用対効果を考えた結果、今回は見送ることとした。いずれ、故障した時にでも交換を考えたい。 ナビを使わなければ、スマホを活用するのもいい。しかし、肝心の設置場所が見当たらない……。ダッシュボード上は平らな部分がほとんどないうえに、唯一とも言える場所には以前のオーナーが取り付けたレーダー探知機が鎮座している。 エアコンの吹き出し口に取り付けようにも、形状が独特ゆえ、装着可能なスマートフォンホルダーが見つからない。そもそもスマートフォンホルダー+スマートフォン本体の重みで、吹き出し口のルーバーが壊れないか不安だ。 ルームミラー用車載スマートフォンフォルダーも検討したが、アームを取り付けるスペースがなく断念。かつて流行ったフロントガラスに吸盤で取り付けるタイプは、道路交通法の「安全運転義務違反」にあたる可能性が大なのでNG。 かつては最先端だったインフォテインメントシステムも、たったの10年ちょっとで陳腐化するとは……。時の流れの早さを感じられずにはいられない。 ただ、インフォテインメントシステムまわりでもオーディオは解決できた。無線通信技術「Bluetooth」を搭載するが、通話機能のみの対応。当然、「Apple CarPlay」などにも対応していないため、CDや内蔵のミュージックサーバーに保存されていない曲を再生するにはAUXを使う必要がある。 AUXを使うなら、Bluetoothミュージックレシーバーが便利だ。スマートフォンからレシーバーに音を飛ばすシステムで、「FMトランスミッター」と違い、FM電波を使わないからノイズが出にくく音も安定かつ高音質。こちらはAmazonで送料込みで1199円だった。 曲を再生するとかつて乗っていた「360モデナ」より圧倒的に音質がよかった。純正スピーカーでも十分に迫力ある音楽を楽しめるのはありがたい。 ちなみに、わがカリフォルアには膨大な楽曲が収録できるミュージックサーバーが搭載されている。操作したところ、いきなり安全地帯の『ワインレッドの心』が流れた。調べると浜田省吾やTUBE、松田聖子など前オーナーが消し忘れたと思われる大量の“80年代ナツメロ”が収録されていたのだ。システムをリセットしていない販売店の対応には疑問を感じたが、まぁいい。前オーナーの選曲にしばし思いを馳せる。新車では得られない中古車ならではの魅力を味わった。
文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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