統一教会の「断食デモ」の前で、鈴木エイト氏らと抗議の「暴飲暴食デモ」(藤倉善郎)
【陰謀論者の大行進 春のトンデモ最前線】#番外編 デモ活動は見るのも楽しいが、自分でやるのも楽しい。筆者が主催した初めてのデモ活動は、十数年前。東京・紀尾井町にある文芸春秋の本社ビル前だ。ただし、抗議の相手は文春ではなく統一教会(現・世界平和統一家庭連合)だった。 【写真】セックス教団が反ワクチン団体に…デモで「脱退!」連呼、陰謀論ラップユニットも参加 「週刊文春許さないぞ~!」 「週刊文春は廃刊しろ~!」 週刊文春が当時、日本の統一教会が4900億円もの金を韓国に送金していた送金リストを報道。これに抗議する信者数十人が、文芸春秋前で1カ月以上にわたって「断食デモ」を行った。 断食といっても、信者たちが交代で行う「リレー断食」という軽いもの。しかし信者の健康を案じた私とジャーナリストの鈴木エイト氏らは、彼らの前で「体に悪いから断食やめろ!」「やめるまでこちらは抗議の暴飲暴食ストを行う!」というデモを行った。眼前で牛丼などを頬張り、統一教会系企業が販売している韓国の「メッコール」というドリンクをがぶ飲み。 意外にも、信者たちは好反応。終了後にお礼を言われ拍手された。 「吉本(興業のお笑い)より面白い! 本日はありがとうございました!」 私たちは、断食中でも飲めるようミネラルウオーターを信者に配布した。 両者に友情が芽生えたかと思えたが、統一教会側は、腹の底では怒っていたようだ。文春側の差し金だと誤解し、後日、文春に抗議したという。予想外のとばっちりだ。 ■幸福の科学vs迷惑系ユーチューバー 2022年に迷惑系ユーチューバーを幸福の科学にぶつけたこともある。アニメ「鬼滅の刃」のキャラクターのコスプレで知られる煉獄コロアキ氏だ。最近は私人逮捕系などと言われているが、コロナ禍の当時は反ワクチン活動家。山手線車内でノーマスク飲み会を開催するなどの迷惑活動を繰り広げていた。 そんな折、幸福の科学の教祖・大川隆法総裁が、「鬼滅の刃」の作者である吾峠呼世晴氏の霊を呼び出したと称する内容を公開。私はコロアキ氏らを誘って、東京・高輪にある幸福の科学の施設「東京正心館」前の歩道で抗議のシュプレヒコールを上げた。プラカードも用意した。 「大川隆法は吾峠呼世晴先生に謝れ」 「大川隆法は死後裁きにあう」 施設から出てきた教団職員たちは敵意丸出し。ものすごく罵ってきた。 ネット上では、「鬼滅の刃」のコスプレで迷惑活動を行うコロアキ氏に「(吾峠呼世晴先生に謝れと)おまえが言うな」などの声も。全くもって同感だ。 (藤倉善郎/ジャーナリスト)